左肩手術の大谷翔平、開幕は打者専念 西本聖氏「球速上げる際に左腕の引く力必要。完治してから」

  • ドジャース大谷翔平(24年6月撮影)

ドジャース大谷翔平投手(30)が、東京で来年3月に開催されるカブスとの開幕シリーズ2連戦に打者で出場する見通しとなった。大谷は10月末のワールドシリーズ中に左肩を負傷。11月5日に手術を受け、順調にリハビリを続けているが、チームの連覇を見据え、投手としては復帰時期を慎重に探っていくようだ。日刊スポーツ評論家の西本聖氏が投手にとっての左肩の重要性を語った。

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ケガの度合いによっても違うが、手術までしているのだから軽傷ということはないだろう。投手にとって左肩の使い方はとても大事で、慎重に調整を進めた方がいい。

野手のスローイングのように軽く投げてごまかせるならいい。しかし投手の場合はそうもいかない。特に球速を上げる際、左腕の使い方は重要で、右腕を鋭く振っていくには左腕の引く力が絶対に必要になる。左肩が万全でなければ当然、右腕を強く振ることはできない。

フォームを崩す可能性も高くなる。痛みが残っているのにピッチングをすると、選手はどうしても痛くない動きを探してしまう。そうなると右腕の使い方まで狂ってしまう。投げる方の腕ではないからといって軽く投げていても、投球フォームにおかしな癖がついてしまうときがある。

特に大谷の場合、今年も本格的なピッチングを封印している。リハビリの過程で軽いスローイングはしていたのだろうが、強く腕を振った場合、それを保護する筋肉も万全にしなければ大きなケガにつながりかねない。ただでさえ160キロを超える速球を投げるのだから、負担は大きい。焦りは厳禁。しっかりと完治させてから、調整を始めるぐらいの気持ちでやってほしい。(日刊スポーツ評論家)