プロ野球番記者コラム

【ソフトバンク】甲斐拓也と工藤元監督の秘話「大変だった」習慣に感謝 監督室に届けたものとは

2015年ソフトバンク春季キャンプ 甲斐に肩をかけアドバイスする工藤監督
2015年ソフトバンク春季キャンプ 甲斐に肩をかけアドバイスする工藤監督

<ニッカンスポーツ・コム/プロ野球番記者コラム>

ソフトバンクの捕手事情は面白くもあり、辛くもある。FAで甲斐拓也捕手(32)が巨人移籍を決断。

若手の台頭が期待されると同時に絶対的な扇の要が不在になる。ソフトバンクからしてみれば超が付くほど痛手だが、甲斐はソフトバンクで成長した。もちろん甲斐本人の努力の結晶だが、球団としても大いに誇っていい人材だろう。

甲斐にはホークスで特に色濃く残る時代がある。15年~21年に指揮を執った工藤公康監督時代だ。「たくさん怒られました」という野球人生の分岐点。実は工藤元監督と秘密のやりとりをした。「工藤監督とは交換日記をしました」。

1年間、ほぼ毎日感じたことや反省、課題などをまとめた日誌を監督室に届けた。「大変だったんですけど、そういう時期があったからこそ今、キャッチャーとしてやれている」。育成入団から侍ジャパンの捕手にまではい上がった苦労人。球界のレジェンドから特別指導を受けていた。「工藤監督にはキャッチャーとしての基礎をたくさん教わったなという風に思います」。17、18年には当時の達川光男ヘッドコーチからも「たくさんサポートしてもらって守ってもらった」。多くの球団関係者、チームメートに感謝を抱きつつ「本当に工藤さんと達川さん、このおふたりにはとても感謝しています」と語った。

長年にわたりソフトバンクの正捕手としてマスクを被ってきた。17~20年は4年連続日本一。タカが偉業を成し遂げた時、グラウンドの中心には甲斐がいた。「(ソフトバンクを)離れるのはどうかなっていう風に思ったんですけど、一番は野球選手として成長するため。覚悟を持って挑戦したい」。甲斐が残したレガシーは計り知れない。その事実を念頭に置いて、新天地での飛躍を願いたい。【ソフトバンク担当 只松憲】

2017年6月、巨人対ソフトバンク 4回表、会話を交わすソフトバンク工藤監督(左)と甲斐
2017年6月、巨人対ソフトバンク 4回表、会話を交わすソフトバンク工藤監督(左)と甲斐
2017年10月、祝勝会で工藤公康監督にビールをかけられる甲斐
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