【西武元山飛優】大阪→佐久→仙台→神宮→所沢…「ずっと一緒のところにおっても」

昨年の冬に西武担当を離れて、秋を迎えました。見知らぬ選手も増えました。そんな中、1人、球場へ行くたびに気合の入ったあいさつをし続けてくれたのがヤクルトから加入した元山飛優内野手(25)でした。なんで、そんなにあいさつしてくれるのだろう。9月13日、ようやく名刺を渡すことができました。

プロ野球

◆元山飛優(もとやま・ひゆう)1998年(平10)12月4日、大阪府生まれ。佐久長聖では1年夏、3年夏に甲子園出場。東北福祉大で大学日本代表に選出。20年ドラフト4位でヤクルト入団。背番号は宮本慎也氏が現役時代に背負った6番を着用。21年3月27日阪神戦で初出場し、同試合でプロ初本塁打。23年12月、宮川哲投手とのトレードで西武に移籍。西武では背番号「30」。180センチ、79キロ。右投げ左打ち。今季推定年俸1100万円。

あいさつはちゃんと覚えてもらえるように、と屈託ない

あいさつはちゃんと覚えてもらえるように、と屈託ない

「僕は選手側なので覚えてもらえるように」

あいさつに個人的にとても好印象を持っていることを、元山に伝えた。まっすぐな人にはまっすぐに。

「えっ、そうですか?」

あいさつで心がけていることは「ちゃんと相手の顔を見るように、くらいの意識ですね」と言う。

自分からあいさつをする人は、きっと何かを生み出したいからそうしているのだと思う。元山の場合。

「球場におる方なので、何かしら関係している方やと思うので。その、失礼がないようにと言ったらあれですけど、どこで関わらしてもらうか分からないんで、しっかりあいさつして顔と名前を。僕は選手側なので、ちゃんと覚えてもらえるように、くらいの意識ですかね」

選手側なのでちゃんと覚えてもらえるように―。プロ野球選手は基本的に、ファンや関係者から名前を覚えられている職業だ。この意識からしてすごい。失礼がないように、という意識もプロ野球選手の誰もが持っているわけではない、と思う。「おやじもうるさかったですし、育ってきた中、高、大の指導者の方々もあいさつちゃんとやってなかったらやり直しとかあったんで、クセついたのかなというのはあります」

あいさつして良かったことは? そう尋ねると「あったかな~。う~ん、ないっすね」と屈託なく笑い「でも、損はないですね」とこれまた笑う。

宮川との交換トレードでヤクルトからやって来た。新天地でまず大事なことはあいさつと。

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1980年11月、神奈川県座間市出身。法大卒、2003年入社。
震災後の2012年に「自転車日本一周」企画に挑戦し、結局は東日本一周でゴール。ごく局地的ながら経済効果をもたらした。
2019年にアマ野球担当記者として大船渡・佐々木朗希投手を総移動距離2.5万キロにわたり密着。ご縁あってか2020年から千葉ロッテ担当に。2023年から埼玉西武担当。
日本の全ての景色を目にするのが夢。22年9月時点で全国市区町村到達率97.2%、ならびに同2度以上到達率48.2%で、たまに「るるぶ金子」と呼ばれたりも。