【楽天1位!】宗山塁を育んだ広島・三次市の旧三良坂町…明鏡止水のサンクチュアリ

旅が好きです。日本の全市区町村の97・3%を踏破済みです。かけ算の世の中、野球×旅。お気楽に不定期で旅します。題して「野球と旅をこじつける」。第26回は広島・三次市へ。山あいの町で生まれ育った明大・宗山塁内野手(21=広陵)は、10月24日のプロ野球ドラフト会議で5球団から1位指名され、楽天が交渉権を獲得しました。イーグルスファンの皆さまにささげる、スター候補の原風景です。

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◆宗山塁(むねやま・るい)2003年(平15)2月27日生まれ、広島県三次市出身。三良坂少年野球クラブで野球を始め、中学時代は高陽スカイバンズでプレー。広陵(広島)では1年夏からベンチ入りし、甲子園に2度出場。東京6大学リーグでは史上12人目の100安打、2桁本塁打を達成。2、3年時に大学日本代表。175センチ、80キロ。右投げ左打ち。

■「家の周りでずっと遊んでましたね」

息は白く、顔は赤い。23年の暮れ、東京・東府中のグラウンドで宗山が故郷のことを話してくれた。

「山、川、田んぼ、ですね。外で動いていたような記憶もありますけど、遠出というより、家の周りでずっと遊んでましたね」

広島県の北部にある三次(みよし)市の出身だ。市街地から南へ、川を上流へ。旧・三良坂(みらさか)町で宗山は育った。

「冬は雪も降ります。もうちょっと北部へ行ったらかなり降ります」

そんな中国山地に抱かれた三次。ドライブで一度通り過ぎたことがあったけれど、ちゃんと滞在したことはない。

宗山の言葉もできるだけ解像度を高めたい。行こうかな。西武栗山巧外野手(41)の少年時代の大冒険をトレースした神戸出張の延長で、新神戸駅近くでレンタカーに乗り込んだ。

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1980年11月、神奈川県座間市出身。法大卒、2003年入社。
震災後の2012年に「自転車日本一周」企画に挑戦し、結局は東日本一周でゴール。ごく局地的ながら経済効果をもたらした。
2019年にアマ野球担当記者として大船渡・佐々木朗希投手を総移動距離2.5万キロにわたり密着。ご縁あってか2020年から千葉ロッテ担当に。2023年から埼玉西武担当。
日本の全ての景色を目にするのが夢。22年9月時点で全国市区町村到達率97.2%、ならびに同2度以上到達率48.2%で、たまに「るるぶ金子」と呼ばれたりも。