辰吉寿以輝の現在地<18>妻優さんに聞く前編 タイトルマッチ、なれそめ、辰吉家

平成のカリスマ、丈一郎を父に持つ辰吉寿以輝(28=大阪帝拳)。

日本初の親子世界王者につながる道を一途に歩む。

12月に東洋太平洋スーパーバンタム級王者中嶋一輝(31=大橋ジム)に挑戦することが決定的となった。

プロ10年目で初めてのタイトルマッチを前にして、家族は何を思うのか。

結婚9年目を迎えた妻、優さん(26)に話を聞いた。

ボクシング

スーパーバンタム級8回戦 辰吉寿以輝の試合を見る左から、父・辰吉丈一郎、母のるみさん兄の寿希也さん、辰吉寿以輝の妻、優さん、娘の莉羽ちゃん(撮影・奥田泰也)=2018年4月30日、エディオンアリーナ大阪第2競技場

スーパーバンタム級8回戦 辰吉寿以輝の試合を見る左から、父・辰吉丈一郎、母のるみさん兄の寿希也さん、辰吉寿以輝の妻、優さん、娘の莉羽ちゃん(撮影・奥田泰也)=2018年4月30日、エディオンアリーナ大阪第2競技場

プロ10年目、ついに王座戦

寿以輝が、ついにタイトルマッチを迎える。

プロ10年目。

その感想について、寿以輝は「やっとかな」と言った。そして妻、優さんも同じ感想だったという。

いつも、寿以輝の試合では、リングを見つめる優さんの姿があった。

2児のパパにもなった夫の戦いを、どう感じているのだろうか。

試合会場で少し言葉をかわしたことはあったが、取材をしたことはなかった。

そう考えると、聞きたいことはたくさん浮かんでくる。

夫の職業をどう思っているのか。

そもそものなれそめは。

辰吉家に一員になった時の気持ちは。

そして夫に望む未来は。

優さんにじっくりと話を聞きたい。

9月9日、大阪帝拳ジムで待ち合わせた。

優さんは、長女の莉羽(りう)さん(7)と長男の秀弦(しゅうげん)ちゃん(1)とともに、寿以輝の車でやってきた。

ジムの一角にある木製のベンチに座って、話を聞いた。

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スポーツ

益田一弘Kazuhiro Masuda

Hiroshima

広島市生まれ。2000年の入社からバトル、相撲、サッカー、野球を担当して、13年からオリンピック担当。
14年ソチ、16年リオデジャネイロを取材して、18年平昌、21年東京は五輪班キャップを務める。東京五輪後に一般スポーツデスク。
大学時代はボクシング部で全日本選手権出場も初戦敗退。アマチュア戦績は21勝(17KO)8敗。