日本 韓国に圧勝、残るは世界一だ
<WBC:日本6−0韓国>2006年3月18日◇準決勝◇ペトコパーク
【サンディエゴ(米カリフォルニア州)18日(日本時間19日)】王JAPANが、世界一に王手をかけた。国別対抗戦「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」の準決勝で、日本は韓国に6−0で完勝し決勝に進出した。韓国と威信をかけた3度目の対決。0−0で迎えた7回1死二塁、王貞治監督(65)は打撃不振で先発から外していた福留孝介外野手(28=中日)を代打で起用。福留は右翼へ起死回生の決勝2ランを放った。3番にイチローをすえた新打線に火がつき、この回打者10人で6長短打5得点。王采配がズバリ的中した。20日午後6時(同21日午前11時)ペトコパークで、ドミニカ共和国を倒したキューバとの世界一決定戦に臨む。
最大の勝負の場面で、最高の手を打った。7回1死二塁。韓国の3番手、金炳賢から多村が空振り三振の直後だった。王監督が動く。6番今江にかえて、代打福留だ。これまで不動の中堅手、クリーンアップの福留だが、1次リーグからの通算成績は19打数2安打、打率1割5厘。この日はスタメンから外れていた。
王監督 確かに調子が良くなかったので、外した。ただ、練習の感じは良かったのでチャンスがあれば、と思っていた。横手の金(投手)に代わったし、あそこは福留君しかいない。
外した福留に運命が巡ってきた。復調の兆しは感じ取っていた。カウント1−1からの3球目、89マイル(約144キロ)の直球だった。振り抜いた福留の打球は、海風の影響で本塁打が出にくいペトコパークでも失速しない。右翼席へ決勝2ランだ。雄たけびをあげ、ガッツポーズ。「何でもいいからとにかく振ってやろうと。調子は関係ない。今日は気持ちで打ちました」。
王監督は両手を突き上げてベンチを飛び出した。のどから手が出るほど欲しかった打のヒーローだ。「あの2ランでたまっていたものが爆発した」。流れが変わった。打者10人6安打の集中攻撃で、5点を奪い試合を決めた。
決意はオーダーに表れた。初めてイチローを3番に据えた。1番中堅には昨季、200本安打を達成した青木を起用した。王JAPANの代名詞にもしていた「9番川崎、1番イチロー、2番西岡」も、あえて壊した。「韓国に2度、負けているし、同じメンバーで戦うわけにもいかない。点を取って負けたのではない。走者を置いた状況で彼(イチロー)に回した方がいい」。「アジア最強」を公言してきただけに、韓国に3度も負けるわけにはいかなかった。
王JAPANだから決勝に進んだ。福留を打席に送る際「とにかく任せたぞ、と(言っただけ)。代打のときにはそんなに(多く)話はしません」と明かす。一方で王監督は試合前、外野にいた福留の元へ近づき、言葉を交わした。「いい場面がきたら代打でいくぞ」。福留への気配りだった。イチローにあえて主将の肩書を付けなかったように、選手の能力を最大限に引き出す環境づくりをする。「手柄は選手が持って行けばいい。思い切ってやればいいんだよ。責任はおれが取るんだから」。常々語る方針は、日本代表の猛者らを率いても同じだ。
「3度目の正直で日本の野球ができた。最高の1勝。自分の野球史の中でも新たな1ページとなった。一気呵成(かせい)にいきたい」。試合直後に興奮気味に話した。
世界一は目前だ。相手はアマチュア世界王者のキューバ。「過去にキューバとどんな戦いをしたかは知らないが、今回の日本チームは、最強だと思う。やるからには勝ちたい」。王監督は史上最強チームを宣言した。20日午後(日本時間21日)、この言葉を結果で証明する。【中村泰三】
ヤンキース・松井秀喜外野手 上原は簡単には打たれないだろうと思った。大舞台で自分のピッチングができる。制球がいいから大きな間違いがない。福留に宮本さんと、王監督の代打策はすごかった。決勝も応援しています。
(2006年3月20日付日刊スポーツ)
- 世界一の幸せ、イチロー「人生最高の日」 [06年3月22日]
- 日本 王監督「世界レベルの仲間入り出来た」 [06年3月22日]
- 日本 韓国に圧勝、残るは世界一だ [06年3月20日]
- 王監督泣いた、失点率0・01差で準決勝進出 [06年3月18日]
- イチロー野球人生最大の屈辱 [06年3月17日]
- 日本 松坂5回0封、俊介も続け! [06年3月16日]
- 日本サヨナラ負け、米も認めた誤審 [06年3月14日]
- 王ジャパン韓国に逆転負け、米で雪辱誓う [06年3月6日]
- 王JAPANまたコールド!32点突破 [06年3月5日]
- 王JAPAN、西岡V3ラン [06年3月4日]
- 王監督世界一へ「ストロング&スピーディー」 [06年3月3日]
- 岩田に保険適用へ [29日11:36]
- 札幌ドームでWBC優勝セレモニー [29日11:35]
- 岩田「痛くはない」筋トレなどで調整 [28日20:19]
- 稲葉、ダル、内川のWBC戦士に花束 [28日16:31]
- 岩田が左肩に違和感、開幕ローテ入り絶望 [28日11:33]
- NPB今季スローガンは「覚悟」 [28日22:53]
- 【ロッテ】「野手です」FA補償1日発表 [28日22:52]
- 【横浜】「持ってる」山崎連続サヨナラ打 [28日21:08]
- 【巨人】小山「矢野さんの話に感動」 [28日20:32]
- マック鈴木監督「仲間もライバル」 [28日21:44]
- 「昨日からミス続き」/小川監督 [28日09:23]
- 「近未来打線」/原監督 [28日09:21]
- 「あれだけカーンと…」/野村監督 [28日09:18]
- 「球を操っているからね」/秋山監督 [28日09:15]
- 「川越もベテランの味見せた」/西村監督 [28日09:14]
- 肩マーク規定抵触?佐渡から島消えた [27日08:21]
- 甲子園歴史館でセンバツ特集展 [24日15:42]
- 北海・玉熊 監督信頼「佑特権」 [23日12:32]
- 北海 浜松合宿帰道「走攻守」手応え [22日11:25]
- 静清・南フェースガードで練習復帰 [18日11:40]
- 3月22日、巨人対東大戦を承認 [28日17:41]
- 明大“就活遠征”社会人強豪と9試合 [28日08:35]
- 明大・野村虎狩る 3・15先発が濃厚 [25日07:34]
- 全国に吹け、美里工の新しい風 - ヨシネーのひとりごと - 野球コラム (ヨシネーのひとりごと - nikkansports) [2月3日]
- 「ヨシネーのひとりごと」始まるよ~ - ヨシネーのひとりごと - 野球コラム (ヨシネーのひとりごと - nikkansports) [1月30日]
- 新生・駒大苫小牧の新しい1ページ - ヨシネーのひとりごと - 野球コラム (ヨシネーのひとりごと - nikkansports) [1月30日]
- 明大が一歩リードか/東京6大学野球展望 (矢島彩「アマ~い野球ノート」) [4月8日]
- 【番外編】元西武・小野剛氏が被災者を芦ノ牧ホテルへ受け入れ (「ニッカン今井でございます」) [3月24日]