ブラジルＷ杯もいよいよ決勝ラウンドが始まり、現地ではさらなる盛り上がりを見せている。これまでのＷ杯ではよほどの人気カードでもない限り、定価に近い金額でダフ屋から購入できていたという観戦チケットも、今大会ではほとんどのカードで５倍以上、人気カードになると１０倍で取り引きされるケースもあるとのこと。中には偽のチケットまで出回っているというからすごい。実物を見ることができたのだが、見た目には判別できないほどのクオリティーだった。

　さてラウンド１６で、開催国ブラジルは難敵チリと対戦し、１対１のまま延長戦でも決着つかず。ＧＫジュリオセザールの活躍で何とかベスト８へ勝ち進んだが、薄氷を踏む展開に、我々取材陣も、内心ドキドキしながら勝負の行方を見守っていた。なぜなら、ブラジル代表が敗退した瞬間に、公共交通機関含めて、ほとんどの交通網がまひしてしまうのではないか、と言われているからである。「飛行機も予定どおりには飛ばなくなるよ」と真剣な表情でホテルのフロントスタッフに言われれば、嫌でも心配せざるを得ない。また、ブラジル代表という「娯楽」を奪われることで、ブラジル国民の一部が暴徒化し、治安が一気に悪化する可能性もある。

　ブラジルＷ杯を成功に終わらせるためにも、そして我々取材陣が無事に帰国するためにも、ブラジル代表にはぜひとも勝ち進んでもらいたいと切に願う。（サッカーキング編集長）