◆評論家
永島昭浩(ながしま・あきひろ)
1964年(昭39)4月9日、神戸市生まれ。御影工から83年に松下(現G大阪)入り。清水、神戸で活躍。J通算165試合65得点。日本代表Aマッチ4試合出場。フジテレビ・スーパーニュース・スポーツキャスター。
各自のアイデアがバラバラ
<W杯:日本0-0ギリシャ>◇1次リーグC組◇19日◇ナタル
大久保の動き、キレが日本では一番良かったとは思うが、それにしても全体的に走れていない。いくら攻撃的に進めても、ゴール前での各自のアイデアがバラバラだ。大久保、内田らが次々に攻め込んだが、5センチ、10センチの単位で周囲とかみ合わなかった。明らかに息が上がり、体力を異常に消耗していたから、内田の攻撃参加に反応できない場面もあった。直前の米タンパ合宿で、驚異的な運動量を誇った日本に何が起こったのか。
代表に密着していて思うのは、ブラジル国内のベースキャンプ地イトゥと第1戦のレシフェ、この日のナタルの気象条件が大きく違うことだ。夜は乾燥して肌寒い日があるイトゥを離れ、2000キロ以上の長距離移動で湿度の高い会場に入る。しかも前日移動。選手の体が順応できていなかったのではないだろうか。
ベンチはこの日、ドリブルとミドルシュートで勝負できる斎藤の投入を考えるべきだった。緩急自在のパスで日本を操ってきた遠藤を、先発で使わない理由も分からない。遠藤のようなタメを作れる選手がいないから、本田に負担がかかっている。日本がコロンビアに勝つには問題が多すぎる。(日刊スポーツ評論家、フジテレビ・スーパーニュース・スポーツキャスター)