ナニワのベテラン走る~ミナミヘキタヘ~

 関西の芸能や社会全般の時事ネタの裏、もしくは秘話ネタ、ちょっといい話などをナニワのベテラン記者がお届けします。

帰ってきた「コンちゃん」リスナーのために一日でも長く、元気な声を

近藤光史(2015年3月撮影)
近藤光史(2015年3月撮影)

あのドスの利いた声が、お昼に帰ってきた。

MBSラジオ「こんちわコンちゃんお昼ですょ!」のメインパーソナリティー近藤光史である。同番組は月曜から金曜までの正午から生放送。コンちゃんは昨年12月19日から体調不良のため、出演を見合わせていた。

77歳。そのうえ結構なメタボ体形。誰もが「大丈夫なのか?」「戻ってこれるのか?」と心配した。1月6日の放送では、病名が横紋筋融解症(おうもんきんゆうかいしょう)と明かされたが、復帰については「もうすぐ帰ってきます」と触れたのみ。

リスナーが不安を抱くなか、1月13日の正午。ついにカムバック! 車いすに乗ってスタジオ入りし、そのまましゃべり続けた。「足が動かなかった。病院に運ばれても、自分が今どこにいるのか分からなかった」と、入院生活を振り返るコンちゃん。体重は12キロも減ったという(16キロという説もあり)。

食いしん坊のコンちゃんには珍しく、食欲がなくなったことが驚きでもあった。それでも退院後に「スイカを食べたい」とマネジャーらにおねだりし、買ってきてもらったのは彼らしい。もともとスイカが好物なのは公言していたが、真冬に入手するのは簡単ではないはず。「スイカはうまかった」と喜びつつ、スタッフへの感謝を口にした。

関西エリア以外の人は「コンちゃん? 誰?」と思われるかもしれない。MBSアナウンサーとして「ヤングおー!おー!」「ヤングタウン」などに出演して人気者になったが、1度退社した後、フリーとして2000年10月からスタートした「こんちわコンちゃんお昼ですょ!」は今や関西のラジオを代表する番組だ。

太く低いダミ声で言いたい放題。お笑い芸人さえ顔色を失う奔放トークや、生放送中に居眠りしたり、いきなり「ちょっとトイレ行ってくる」と共演者にあとを任せる型破り。

「若い頃は杉良太郎に似ていた」と自称し、女性にはモテモテ? 結婚4度、離婚4度。あの明石家さんまに「趣味は結婚。特技は離婚」と言わせた。自らを「独居老人」と呼び、愛犬と暮らしている。そんなキャラクターをリスナーは愛し、熱烈に応援している。わたし自身、2011年の早期退職後、ラジオを聞く生活を送っているが、「こんちわコンちゃんお昼ですょ!」は生活の一部になった。

だからこそ、1日でも長く、元気な声を聞かせてほしい。復帰後のラジオで「声が出なくなるまで番組は続けたい」とコンちゃんは心情を明かしていたが、ぜひとも、そうあってほしい。

ラジオは、特にシニア世代にとって毎日の生活に欠かせない「心の友」。きょうも、多くのリスナーがコンちゃんの声を心待ちにしている。【三宅敏】(ニッカンスポーツ・コム/コラム「ナニワのベテラン走る~ミナミヘキタヘ」)

 ◆村上久美子(むらかみ・くみこ) 大阪(泉州)生まれ。91年入社。関西の芸能社会を中心に取材。吉本興業、宝塚歌劇、短期間ながら阪神タイガースと、関西発の3大ホットコーナーをはじめ、NMB48まで、取材歴は20年以上。

 ◆松浦隆司(まつうら・たかし) 大阪生まれ。92年入社。関西を中心にスポーツ紙の社会面担当としてエロから政治まで、ダークサイドも含め取材歴は20年以上。和歌山毒物カレー事件、橋下徹前大阪市長は茶髪弁護士時代から取材。

 ◆三宅敏(みやけ・さとし) 大阪市生まれ。1981年に日刊スポーツ入社。主に芸能ニュース、社会ニュースの記者・デスクを務める。11年に早期退職制度で退社。その後は遊んで暮らしていたが、22年から記者として復帰。演芸(お笑い)を中心に取材。好きなものは猫、サッカー、麻雀、ゴルフ。身長171センチ。

おすすめ情報PR

芸能ニュースランキング