【吉本新喜劇座員総選挙】ひきこもり乗り越えた芸人2人が盛り上げ役…お笑いのチカラ

吉本新喜劇は座員100人を超える大所帯。ファン投票で人気を競う「吉本新喜劇座員総選挙」は今年で3年目となりました。結果が判明する開票イベントは、参加した座員にとってドキドキもの。9月に行われた開票イベントで「陰の立役者」として、場を大いに盛り上げた今別府直之(52)おやどまり(34)に本音を聞いてみました。

お笑い

新喜劇総選挙の開票イベントで「陰の立役者」となった今別府直之(右)と、おやどまり(撮影・三宅敏)

新喜劇総選挙の開票イベントで「陰の立役者」となった今別府直之(右)と、おやどまり(撮影・三宅敏)

◆今別府直之(いまべっぷ・なおゆき)1972年(昭47)5月1日、兵庫県尼崎市出身。NSC(吉本総合芸能学院)23期を経てオーディションで新喜劇入り。趣味は阪神タイガース応援、テレビ鑑賞。身長172センチ。

◆おやどまり90年7月20日、沖縄県那覇市出身。NSC沖縄1期生。NGKの進行係を経て、金の卵8個目オーディションで15年、吉本新喜劇入り。趣味はギター、カメラ、野球、柔道。SMAPのファン。NGK前で生演奏し、ファンにPRする芸人バンド「ホンワカパッパー隊」のメンバーとしても活動している。身長173センチ。

MCテンダラー&間寛平

9月6日、大阪・YESシアターで「吉本新喜劇座員総選挙2024」開票イベントが行われた。結果はアキが3年連続で1位。すっちーが2位、山田花子が3位に入った。総投票数は61万6071票。上位29人と、推し枠で選ばれた瀧見信行は10月18日の「吉本新喜劇まつり」(なんばグランド花月=NGK)に出演する。

ファン投票で人気を競う真剣勝負。だからこそ、参加座員はSNSで自己アピールし、必死で投票を呼びかけた。

開票イベントは座員が劇場の座席にすわり、名前を呼ばれた順に舞台へ上がっていく。名前を呼ばれるたびに場内に歓声があがり、呼ばれた本人は笑顔でステージに向かった。

結果を伝えるMCはテンダラー(白川悟実、浜本広晃)と、新喜劇の間寛平GM(ゼネラルマネジャー)。緊張感が張り詰めるなか、最初の1人は誰? 浜本が声高らかにコールした。「29位は…、今別府直之!」。

どよめきと歓声と罵声(?)が飛び交い、カラフルなシャツを着た今別府が軽やかに舞台に上がった。

ドッキリ…「29位」を本気に

総選挙3年目にして、初のランクイン。今別府の喜びは客席にも伝わってきた。しかしその直後、浜本が無情にも「はい、ウソです。冗談でした」。いわゆるドッキリだった。

今別府総選挙3年目にしてようやくランクインできた、と心の底から喜んでました。ここまで22年間、新喜劇で頑張ってきてよかったな、と。

うきうきしてステージに上がって、浜本さんに「ウソでした」と言われた時は正直、悲しくて仕方がなかった。見事に引っかかってしまいましたね。

とはいえ、これもテンダラーと20年に及ぶ人間関係があってこそ。寛平GMさえ「今別府がほんまに入ったんやと思い込んだ」と信じたほどのドッキリだった。

「2度もおいしいところを」

さらに続きがあった。20位、15位と順々に結果が発表されていき、いよいよベストテン。再び浜本が「10位、今別府直之!」。

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エンタメ

三宅敏Satoshi Miyake

Osaka

大阪市生まれ。1981年に日刊スポーツ入社。
主に芸能ニュース、社会ニュースの記者・デスクを務める。
2011年に早期退職制度で退社。その後は遊んで暮らしていたが、2022年から記者として復帰。吉本のお笑い芸人などを取材している。
好きなものは猫、サッカー、麻雀、ゴルフ。身長171センチ。