【ザ・ぼんち】AI漫才にTHE SECOND!とろサーモン久保田が驚く常若の精神

ザ・ぼんち(ぼんちおさむ、里見まさと)といえば、上方漫才を代表するベテランコンビ。その2人が新しいスタイルの漫才を世に出そうと奮闘中です。それは、AIを駆使してのニュー漫才。「誰もやっていないことをやる」「漫才はニュース性が命」と時代の先取りを目指しています。

お笑い

ベテランになってもチャレンジ精神を失わないザ・ぼんち。おさむ(左)と里見まさと(撮影・三宅敏)

ベテランになってもチャレンジ精神を失わないザ・ぼんち。おさむ(左)と里見まさと(撮影・三宅敏)

◆ザ・ぼんちぼんちおさむ1952年(昭27)12月16日生まれ、大阪市出身。里見まさと52年4月25日生まれ、兵庫県姫路市出身。

大阪・興国高校の同級生として出会い、72年10月、コンビ結成。「ヤングおー!おー!」「モーレツ!しごき教室」(ともにMBS)などへの出演で人気上昇。80年からの爆発的な漫才ブームで一気に全国区スターに。

81年発売のシングル「恋のぼんちシート」がヒットし、オリコンチャート最高2位。同年7月21日には日本武道館でコンサートを成功させるなど、時の人となった。漫才ブームが収まった86年にコンビ解散。

おさむは俳優としてテレビ朝日系「はぐれ刑事純情派」(88年~03年放送、藤田まこと主演)にレギュラー出演。まさとは故亀山房代さんとコンビを組み、しゃべくり漫才で98年上方漫才大賞受賞。01年、解散。

02年、ザ・ぼんち再結成。若い頃と変わらぬ元気いっぱいの漫才で、NGKや京都・よしもと祇園花月などに出演している。

「理科の実験をしているような」

71歳のぼんちおさむ、72歳の里見まさと。漫才界の大ベテランが新たな漫才に挑戦している。AIと漫才の融合だ。

AIとはArtificial Intelligenceで、人工知能を意味する。すでに、お掃除ロボットや車の自動運転など、我々の日常生活にも幅広く活用されている。時代の最先端を行く技術が、なぜ漫才に?

まさと世界では、AIがすごい勢いで進んでいます。将棋の藤井聡太さんもAIを使ってトレーニングに励んでいるそうで。古典落語や歌舞伎と違って、漫才はニュース性が命。タイムリーな話題を拾っていくんです。まだ誰も手を付けていない漫才を我々がやるのも、おもしろいんじゃないかと考えました。こういうのは早い者勝ち。「そんな手があったのか?」と皆さんに驚いてもらえたら、してやったりです。

おさむ実は、家ではアレクサを利用しているんです。なかなか便利ですよ。「アレクサ、電気つけて」「アレクサ、音量を下げて」といえば、すぐにやってくれます。一度「おさむちゃんで~す!」とギャグを一発かましたら「声が大きいです」と返されました(笑い)。

確かにAIはかしこい。多くのデータを処理し、分析。人間の生活にもメリットが大きい。

まさといくつかのテーマを与えると、ものの5秒、6秒でササッと答えを出してくれるんです。短いネタですね。

小説だったら有名作家のテイストを残しつつ、新たな恋愛小説を作るのも得意なんですが、漫才では思ったほど簡単にいかないんですよ。

というのも、そのままではおもしろくない。笑いにならないんです。AIは標準語で答えるので「大阪弁でやって」と注文すると、また5秒ほどで修正してくるのは見事ですが。

おさむ理科の実験をしているような感じですね。漫才で必要なボケ、ツッコミなどは人工知能もまだ理解しきれていないのかもしれません。そのあたりは我々人間が補っていくことになるでしょうね。

AIとザ・ぼんちが力を合わせて、仮の台本は完成した。完成形は11月にも、披露する予定だ。

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エンタメ

三宅敏Satoshi Miyake

Osaka

大阪市生まれ。1981年に日刊スポーツ入社。
主に芸能ニュース、社会ニュースの記者・デスクを務める。
2011年に早期退職制度で退社。その後は遊んで暮らしていたが、2022年から記者として復帰。吉本のお笑い芸人などを取材している。
好きなものは猫、サッカー、麻雀、ゴルフ。身長171センチ。