【りくりゅうの言葉】「やってきたことは無駄じゃなかった」「ゆなすみ」との秘話も/世界選手権

【モントリオール=阿部健吾】ペアで3年連続表彰台に上った「りくりゅう」こと三浦璃来(22)木原龍一(31)組(木下グループ)が一夜明け取材に応じました。今季は木原の腰椎分離症の影響で欠場が続き、世界選手権が今季3戦目となりましたが、2月の4大陸選手権からの猛練習で銀メダルを獲得しました。フリー演技後にはぜんそくの症状に見舞われた木原も、三浦とのいつも通りの和やかな掛け合いを見せました。

フィギュア

<世界選手権>◇23日◇第4日◇カナダ・モントリオール

銀メダルを手に笑顔の三浦と木原(撮影・阿部健吾)

銀メダルを手に笑顔の三浦と木原(撮影・阿部健吾)

フィギュアスケート世界選手権ペア・フリーの一夜明け取材に応じた木原(左)三浦組(撮影・阿部健吾)

フィギュアスケート世界選手権ペア・フリーの一夜明け取材に応じた木原(左)三浦組(撮影・阿部健吾)

4大陸後の最高の練習

――世界選手権を終えて、今の心境を教えてください

三浦 今シーズンけがからのスタートで。最初の試合、2回目の試合っていうのはあまり納得のいく演技ができなかったんですけど、4大陸選手権が終わって、その6週間の間に悔いのない練習を積んできたので。その練習の成果っていうのが、今回の世界選手権でその結果が出せたことはすごくうれしいと思うんですけど、その中でもやっぱりミスがあったので、悔しい思いもあります。

木原 今シーズンはけがでスタートして。なかなか自分たちの滑りができない期間が続いていたんですけれども、この世界選手権前6週間っていうのは、自分たちの中でも最高の練習をしてきたので。もちろん試合では自分たちの納得のいってない部分はあったんですけれども、ベストに近い状態ができたので、本当に短い期間でしたけど、しっかり頑張ってやってきたことがある程度出せたので、そこは良かったかなっていうふうには思います。

――自己ベストを更新しました。自信になったのではないでしょうか

三浦 そうですね。前回の試合っていうのはショートも含めて、レベルの取りこぼしがすごく多かったんですけど。今回の試合でツイストとデススパイラルレベル3以外は全てレベル4を取ることができたので。本当に自分たちのやってきたことっていうのは無駄じゃなかったんだなっていうふうに再確認することができました。

木原 本当に今回しっかりできましたし。自分たちがやらなければいけないことってのは最低限できたのでよかったと思います。

フリーの演技を行う三浦と木原

フリーの演技を行う三浦と木原

――木原さん、今の体調はいかがですか

木原 今はもうだいぶ症状も落ち着いて、薬で収まっているので大丈夫なんですけども。日本に帰ったら1度ちゃんと病院を受診しようかなと思っています。ご心配おかけして申し訳ありませんでした。

――今シーズンを振り返って下さい。

三浦 やっぱり今年は龍一くんのけががあったんですけど、その前のシーズンは私がけがをして、すごく支えられてたことを今シーズン気づくことができたので。どうやったらサポートできるのかっていう。話し合いながら試行錯誤をしてたので、その部分も含めて2人とも成長できたかなっていう。精神的にも成長できたかなって思います。

木原 やっぱり普段は僕の方が引っ張る場面も多いし。フォローするっていうことも多かったんですけれども、今シーズンは逆に助けていただく場面の方が多くて。 どうしてもけが系はネガティブな感情も多いですし、僕の方が崩れやすかったんですけれども。しっかりそういった場面でも璃来ちゃんがフォロー、サポートしてくれて、本当に心から感謝してます。

――次のシーズンに向けて考えていることを教えてください

三浦 やっぱり、この世界選手権前の6週間の練習っていうのは本当に 1つも無駄がなかったので。この練習を来シーズン続けていければ、いい結果が必ず出ると思うので。練習を続けていきたいなっていうふうに思います。

木原 そうですね。本当にこの6週間っていうのは、自分たちの中で最高の練習をしてきたので、この練習を来シーズン早い段階、夏場からしっかり積み重ねていければ、自分たちが失ったものっていうのは必ず返ってくると思うんで。シーズンオフから、早い段階から来シーズンに向けて準備していきたいかなっていうふうに思います。

――優勝ペアの功績について、どのように感じていますか

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スポーツ

阿部健吾Kengo Abe

2008年入社後にスポーツ部(野球以外を担当します)に配属されて15年目。異動ゼロは社内でも珍種です。
どっこい、多様な競技を取材してきた強みを生かし、選手のすごみを横断的に、“特種”な記事を書きたいと奮闘してます。
ツイッターは@KengoAbe_nikkan。二児の父です。