【坂本花織の言葉】「余分めに回ってみようかな?」と4回転ループ挑戦中/世界選手権

【モントリオール=阿部健吾】坂本花織(23=シスメックス)が、56年ぶりとなる3連覇の偉業を成し遂げました。SP4位からフリーで逆転優勝。一夜明け取材では、ロシア勢を意識して「今のままでは勝てないのはもう目に見えてる。後悔のないように」と4回転ループを練習していることも明かしました。来季は2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪の前のシーズン。「とにかく2年後を見据えて」と、シーズンオフから動き始めます。現地で行われた一夜明け取材の様子をお届けします。

フィギュア

<世界選手権>◇23日(日本時間24日)◇第4日◇カナダ・モントリオール

一夜明け取材の撮影で笑顔の坂本(撮影・阿部健吾)

一夜明け取材の撮影で笑顔の坂本(撮影・阿部健吾)

――一夜明けた心境を教えてください

坂本 演技終わってから今に至るまで、変わらずすごいうれしい気持ちです。

――56年ぶりの3連覇。世界選手権3回優勝は浅田真央さんに並ぶ記録。フィギュアスケート界に名を残していることについて、どのように感じていますか

坂本 それまでに名を連ねてる選手が選手なので。もうそこに自分の名前が入ってるのが、もう違和感でしかなくて。まだやっぱ慣れないなっていう感じはあるんですけど。でもやっぱりそこに入れたっていうのはすごく嬉しいです。

――終わってから中野園子コーチとお話ししましたか

坂本 いや、終わってからは。色々やっぱりバタバタしてたのもあって。まだいまだにゆっくりはしゃべれてないんですけど。でも、キスクラでも「今日は良かったんじゃないの」みたいな感じで。多分そんな感じのことを言ってたんじゃないかなって思ってます。ちょっと忘れちゃいました(笑顔)。

一夜明け取材の撮影で笑顔からの真顔で笑いを誘う坂本

一夜明け取材の撮影で笑顔からの真顔で笑いを誘う坂本

――今の段階で、次の目標はどこに定めようと考えていますか

坂本 今の段階であんまり具体的な目標は決めてなくて。でもやっぱり来シーズンはオリンピックの前の大事なシーズンになるので。とにかく2年後を見据えて、来シーズンはしっかり組んで。今年よりもレベルアップして戦えたらなと思ってるので。まあ細かい目標はおいおい決めていけたらなと思っています。

――これからレベルアップしたい部分はどこですか

坂本 もう本当に若干っていう感じなんですけど。しっかりルッツを矯正して、フリーでフリップとルッツ2本入れれたらなって思ってるので。そこはやっぱり基礎点をあげるためにも大事な部分かなと思って。今できるところはそこかなって思います。

――オフシーズンはどのように過ごしますか

坂本 次、5月に振り付けすることはほぼほぼ決まってるので。4月はゆっくりできたらいいなと思ってるんですけど、できるかな?って感じで(笑顔)。

――中野コーチが4回転ジャンプの練習をしていると話していました。手応えを教えてください

坂本 練習してたのはしてたんですけど。チャレンジカップの2週間前に靴を替えてからは、その靴に慣れるのにちょっと時間使ったので。そこからはちょっとできてはいないんですけど。今日は体の動きがいいなって思う日は、なんか「ちょっと余分めに回ってみようかな」っていうぐらいの気持ちでやってました。

――将来を見据えて、意識して練習しているのでしょうか

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スポーツ

阿部健吾Kengo Abe

2008年入社後にスポーツ部(野球以外を担当します)に配属されて15年目。異動ゼロは社内でも珍種です。
どっこい、多様な競技を取材してきた強みを生かし、選手のすごみを横断的に、“特種”な記事を書きたいと奮闘してます。
ツイッターは@KengoAbe_nikkan。二児の父です。