【三浦佳生の言葉】「僕はっていうものを1つ見つけて頑張っていきたい」/世界選手権

【モントリオール=阿部健吾】初出場の三浦佳生(18=オリエンタルバイオ/目黒日大高)は、合計254.72点の8位。上位の選手やほかのカテゴリーの選手の演技を見て「もっともっと強くなる必要がある」と思わされる大会となりました。高校を卒業し、今年4月からは明治大に進学。「ジャズとかヒップホップとか習ってみようかな」「起爆剤となるプログラムを」など、来季へアイデアがいくつも浮かんでいます。初の世界舞台を終えた一夜明けインタビューの様子をお届けします。

フィギュア

<世界選手権>◇24日(日本時間25日)◇最終日◇カナダ・モントリオール

一夜明け取材に答える三浦(撮影・阿部健吾)

一夜明け取材に答える三浦(撮影・阿部健吾)

――SNSで「弱さを知れた」と発信していました。今の気持ちを教えてください

三浦 やっぱり今回ワールドに出るに向かって、やっぱり練習量も一番根を詰めてやっていましたし。で、その分練習の成果も出て、過去一番いい状態で臨めて、すごく自信があった状態だったので。やっぱりそういうワールドで戦う難しさだったり、練習でうまくいってても本番でこうなってしまうっていうのが、今回に限らずフィギュアスケートの難しいところだなっていうのは改めて痛感しましたし。やっぱりトップ選手っていうのはそういったところをきっちり。練習が良くても良くなくても本番でまとめてくる力があるので、僕にはそこが足りないというか、弱さだと思います。

――鍵山選手やマリニン選手の演技はどのようにご覧になっていましたか

三浦 やっぱり、なんか今回はもう本当にすごいなっていうふうにしか見れていませんでしたけど、この彼らとずっとこの先戦っていくことになるので。いつまでもこの状態でいるわけにはいかないと言いますか。優真も昔からずっと一緒にやってて、昔からずっと僕は背中を追い続けてやってきましたけど。ずっと追っかけてる状態なんですよね、今まで。彼は優しいから、僕のことをライバルだとかそういうふうに言ってくれますけど。僕はまだなれてないなっていう風に思っていて。だから、やっぱりもっともっと強くなる必要があるというか。来シーズンに向けて、1日の過ごし方っていうのを改めて見直す必要があるなっていう風に思います。

――具体的にどういった部分を見直していきたいですか

三浦 例えば、昔よりはやらなくなったんですけど。ゲームする時間だったりとか、そういった、楽しいけど別になくてもいいよなっていう時間。そういったのをもっと減らして、フィギュアスケートに集中する必要があるというか。もちろんそういうリラックスする時間っていうのも大事なんですけど、ただ、もっとフィギュアスケートに向き合う時間っていうのを増やす必要があるなっていうふうに感じました。

――フィギュアスケートに向き合う時間はどのように使っていきたいですか

三浦 まずは、フィギュアスケートのリンク内での練習の技術、スケーティングスキルだったり。そういったものをやっぱもっともっと重視していく必要があるなっていう風に感じましたし。やっぱりスケートの延長線上にジャンプっていうものがあるので、まずは本当にスケートというものを1から見直す必要があるなと感じたのと、あとは、そのオフアイスの面で、まずは、トレーナーさんとも話をしたんですけど、疲れない体作りっていうのをまず一番、来季に向けて 一番重視してやっていこうと思っていて。曲かけを、例えば1回通すじゃないですか。そうすると、翌日に疲労が溜まってる。でも、誰でも疲労は溜まるんですけど。例えば優真だったり、そういった選手は、それでも翌日でも曲かけを通して練習できる体ができているんです。僕の場合はそれができていない。翌日はもう疲労が溜まっていて、ケアにあてて。曲かけも部分部分でやったりとか。そういったところがまだまだ弱いなという風に感じているので、まずはそこをしっかり。疲れない体作りっていうのを来季に向けてのテーマに1つ置いていって、 プラスアルファで、ちょっとダンス的な部分、もっと表現力を高めていきたいなと。やっぱり優真だったり、イリア選手とかと対抗するためには、やっぱりもっと自分の個性というものを引き出す必要があると思っていて。もう優真はスケートがすごい上手だし、 イリアはジャンプで攻めてるし。だったら、僕はっていうものを1つ見つけて頑張っていきたいなと思います。

――精神面での成長は感じますか

三浦 いろんな試合、たくさんの試合を経験して。例えば一昨年のグランプリファイナルで悔しい思いをしたり。一昨年の全日本選手権で悔しい思いをしたりっていうので、それからどんどんどんどんやっぱり強くなっているなっていう感じはするんですけど。やっぱりまた世界選手権というものは1つ違う大会だったと言いますか。僕はいつも通りの大会だと思って行きましたけど、やっぱり本番になると何か違う空気を感じたというか。っていうのを滑り終わって、よく考えてみたら思ったことなので。やっぱり今回こういう経験ができたのはすごい大きいことですし、自分が来シーズンもっともっと強くなるにあたってのアドバンテージの1つとなっているかなと思います。

ありがとうございます。

――鍵山選手やマリニン選手を追いかける中で、技術的に見据えていることはありますか

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スポーツ

阿部健吾Kengo Abe

2008年入社後にスポーツ部(野球以外を担当します)に配属されて15年目。異動ゼロは社内でも珍種です。
どっこい、多様な競技を取材してきた強みを生かし、選手のすごみを横断的に、“特種”な記事を書きたいと奮闘してます。
ツイッターは@KengoAbe_nikkan。二児の父です。