ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪まで2年 団体での頂点へ連盟が考える現在地と今後

【モントリオール=阿部健吾】世界選手権(カナダ・モントリオール)を終え、日本スケート連盟(JSF)の竹内洋輔フィギュア強化部長(44)が24日に総括インタビューに応じました。金1個、銀2個に目的は達成したとしましたが、同時に各カテゴリーのミラノ・コルティナダンペッツォ五輪へ向けた現在地を説明しました。団体戦での金メダルへ向けたカップル競技、特にアイスダンスの強化策、選考方法にも触れています。

フィギュア

<世界選手権>◇24日(日本時間25日)◇最終日◇カナダ・モントリオール

――総括をお願いします

竹内 オリンピックが終わったシーズンからの位置付けで言うと、今年のシーズンの位置付けっていうのは、来年のミラノの枠取りに向けて、その枠をしっかり稼いでくるっていうのがスケート連盟としてが一番大きな目標ではあったんですけども。そこに関しては、しっかりと男女3枠ずつという形で。かつ、ペアもですね、今出場できるような枠があっても、ちょっと残念ながらミニマムがとれなかったりだとかっていうところがあったので、出場できない状況ではあったけども、ペアの3枠は一応あるという状態になっています。ダンスに関しては、今回残念ながら競技力のところは、連盟がここまでいってもらいたいっていうところには、若干そこには満たなかったかな。これは、一般の方々からも見ても、そこはまだまだ必要だろうっていうことは見える結果だというところだとは思っています。

ペアで銀メダルを獲得した三浦璃来(左)と木原龍一(撮影・阿部健吾)

ペアで銀メダルを獲得した三浦璃来(左)と木原龍一(撮影・阿部健吾)

それぞれのカテゴリーのところに関しては、やっぱりオリンピックのシーズンの時に、我々としては誰が出てもメダル争いをしていけるということがまず理想的な状況であると。やはり1人の選手に集中をしてしまうと、そのプレッシャーっていうのがその選手にかかってしまいますので。それはもうだいぶ覚えてる人も少なくなってきたかもしれないですけども、伊藤みどりさんがオリンピックの時に1人で重圧を背負ったっていうところは、そこでやっぱりうまくいかなかったとこもありますので。我々としては、それを、複数の選手で日本人選手のこの中で負けたくないっていうところで争いをしてくれることが、オリンピックのメダルに一番結びついていくというところになっていくと思います。

男子2位となり、メダルを掲げる鍵山優真(左)。中央は優勝したイリア・マリニン、右は3位のアダム・シャオイムファ(共同)

男子2位となり、メダルを掲げる鍵山優真(左)。中央は優勝したイリア・マリニン、右は3位のアダム・シャオイムファ(共同)

その点で言うと、男子はもうどの選手もメダルを獲得できるだけのポテンシャルはもうすでにあるし、2年後に向けてもさらにそこを上げていくことが十分できるとなります。女子に関しては、まだまだやっぱり坂本さんが圧倒的に飛び抜けていて。そこの後に続く選手たちが、やっぱり坂本さんにというわけではなくて、メダル争いをできるレベルまで持っていくということがすごい重要だと思っています。なので、そのためには、なかなか坂本さんの競技力は彼女自身の特有のところがあるので、ジャンプだったり、パワーだったりとかで。 それが、じゃあ他の選手はそのように同じことができるかっていうと、ちょっと若干違うところがあると思うので。そうなると、より高難度の技であったりだとか、そっちの方に。それか圧倒的なスケーティングだとか、そういったようなところの方向にいくのではないかなと。来シーズンに向けては、やっぱりそこのところをしっかり上げて、女子も複数メダルに絡んでいくっていうところがすごい重要かと思っています。

ペアに関しては、まずは3つ枠があるわけですから、そこにちゃんと土台に乗って。まだやっぱり日本もそのトレーニングベースというところで非常に弱いので、ペアに関しては。まだ今のところはカナダのコーチの元であったりだとか、その海外に頼ざるを得ないところが大きいわけですけども、そこをもう少し手厚くというか、選手たち自身でまずはトレーニングをしっかりと環境も含めて整えて、シーズンを迎えてもらいたいという状態になっています。アイスダンスに関しては最終選考会が伸びて4大陸までと。これはやはり強化部として望んでることではないですし、やはり全日本選手権が最終選考会として世間から注目をされて、世界選手権代表として、 あそこで全てが決まって、日本のいろんな方から送り出していただくっていう形が僕は一番いい形だと思っています。 そこのところで、国内、国際的な評価っていうのが、アイスダンスっていうのは非常に割れているところもありますので、やっぱりそこは来年その選考基準だとか派遣の競技会のところを、できる限り、より多く、同じ舞台で戦ってもらいたいと思っています。その中で切磋琢磨して、どこのチームが上がってくるのかというところを、もっと競争を激化させる形で、アイスダンスの強化はしていきたいと思っています。

女子金メダルの坂本花織(中央)。千葉百音(左)と吉田陽菜(右)は世界選手権初出場だった(共同)

女子金メダルの坂本花織(中央)。千葉百音(左)と吉田陽菜(右)は世界選手権初出場だった(共同)

――女子は2人が初出場でした

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スポーツ

阿部健吾Kengo Abe

2008年入社後にスポーツ部(野球以外を担当します)に配属されて15年目。異動ゼロは社内でも珍種です。
どっこい、多様な競技を取材してきた強みを生かし、選手のすごみを横断的に、“特種”な記事を書きたいと奮闘してます。
ツイッターは@KengoAbe_nikkan。二児の父です。