辰吉寿以輝の現在地〈21〉母るみさんの育て方「あんたらは父ちゃんと違うんやからな」

平成のカリスマ、丈一郎を父に持つ辰吉寿以輝(28=大阪帝拳)。

日本初の親子世界王者につながる道を一途に歩みます。

12月12日、東洋太平洋スーバーバンタム級王者中嶋一輝(31=大橋)への挑戦が近づいてきました。

母るみさんは、息子の初タイトル戦に何を思うのか。

偉大な父を持つ息子の育て方とともに聞きました。

ボクシング

辰吉丈一郎のデビュー35周年を記念したイベントが行われた「スニーカーダンク南堀江店」撮影・益田一弘)=2024年11月10日、大阪市内

辰吉丈一郎のデビュー35周年を記念したイベントが行われた「スニーカーダンク南堀江店」撮影・益田一弘)=2024年11月10日、大阪市内

「旦那の時はガン見。お母さんとしてすごく難しい」

11月10日、大阪のミナミこと難波にほど近い南堀江。最先端のファッションやカフェが集まるエリアに、多くの人が詰めかけた。

あるスニーカーショップで

「辰吉丈一郎デビュー35周年」と銘打たれた企画展が開かれていた。

企画展の最終日は、辰吉丈一郎本人の登場が目玉となっていた。

イベント開始前、喧噪(けんそう)から離れたレトロな喫茶店で、るみさんに話を聞いた。

―息子さんがタイトルマッチをする、というのはどういう気持ちですか

これって、お母さんとしてすごく難しいよね。嫁として旦那が試合をする時はすらすら言葉が出てきたのに。母としてどうか、というのは難しい。

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スポーツ

益田一弘Kazuhiro Masuda

Hiroshima

広島市生まれ。2000年の入社からバトル、相撲、サッカー、野球を担当して、13年からオリンピック担当。
14年ソチ、16年リオデジャネイロを取材して、18年平昌、21年東京は五輪班キャップを務める。東京五輪後に一般スポーツデスク。
大学時代はボクシング部で全日本選手権出場も初戦敗退。アマチュア戦績は21勝(17KO)8敗。