１次リーグを突破するために、本田選手の復調は欠かせない。調子が悪いなら１次リーグ敗退もあり得る。逆に好調なら、世界を驚かせることは十分できる。

　キプロス戦はＡＣミランでの不調を引きずった。まったくゴールの臭いがしなかった。そのまま低調が続けば、チーム全体で大きなダメージを受けたはずだ。しかし本田選手は少しずつ持ち直してきた。コスタリカ戦は得点はできなくても、得点できる位置にポジションを取ることはできた。

　そしてザンビア戦。試合前に「ＰＫでもいいから点を取ってほしい」と思っていたら、実際にＰＫで得点した。さらに流れの中でも点を決めた。「完全復活」と言いたいところだが、まだ８０％の出来だろう。

　足りない２０％の中には「自信」も含まれる。ザンビア戦は本田選手の表情に注目したが、まだベスト時のような自信に満ちあふれた顔ではなかった。当然、ピッチに立つ仲間たちも、その顔は注目する。自信がある時は、相手を圧倒するような目をする。プレーにも影響してトラップの仕方も変わるし、強気の判断もできる。本田選手からは目が離せない。（日刊スポーツ評論家）