◆紙面企画
取材班日記
日刊スポーツ新聞社W杯取材班5人のブラジル日記です。
◆盧載鎭(の・ぜじん)
◆益子浩一(ましこ・こういち)
◆菅家大輔(かんけ・だいすけ)
◆八反誠(はったん・まこと)
◆栗田成芳(くりた・しげよし)
信号で止まれぬ怖い街レシフェ
都市別の人口10万人あたりの殺人事件発生率はブラジル全土で常に上位。銃火器を使用した一般犯罪が多発し、犯罪の手口も凶悪化の一途をたどる…。昨年のコンフェデ杯イタリア戦でも訪れたが、日本が初戦を戦うレシフェとは、そのような「怖い」街だ。
13日未明。レシフェに降り立つと、タクシーでホテルへと向かった。昼間の活気とは一転、通りに人けはないが、タクシーは赤信号でもクラクションを鳴らしながら止まらず走り続ける。運転手に理由を聞くと「信号で止まると危ないからだよ」と言う。
深夜、赤信号で律義に止まっていると、どこからともなく人が現れ、銃を突きつけられて身ぐるみはがされる―。そんなことは日常茶飯事。信号は安全のために取り付けられているはずが、この街では深夜になると強盗などの格好のチャンスになってしまう。
過去に多くの国を訪れたが、世界的にテロの危険性が叫ばれていたイエメンなどより、レシフェでは「この街は1歩でもゾーンに入ると危ない」という感覚が働く。ただ、多くの街を体感できるのもW杯。これもまた、良い経験になる。【菅家大輔】