◆紙面企画
取材班日記
日刊スポーツ新聞社W杯取材班5人のブラジル日記です。
◆盧載鎭(の・ぜじん)
◆益子浩一(ましこ・こういち)
◆菅家大輔(かんけ・だいすけ)
◆八反誠(はったん・まこと)
◆栗田成芳(くりた・しげよし)
怖いけど優しい国
ほぼ毎日、在ブラジル日本大使館などから届くメールには邦人の強盗、窃盗、ひったくり被害の情報がある。実感はないが、治安は悪い。こちらに住んでいる方と話した時、強盗にあった際は即座に現金を差し出すようにと言われた。財布とは別に、差し出すためにある程度の額を持っておくといいとのこと。ポケットから出す時は銃を取り出して抵抗すると思われないよう、必ず「現金です」と言うように念押しされた。
一方でブラジルの人は大半が優しく、いい人たちだ。昨夜、食事に行った日本料理店の隣に有料駐車場があった。管理人らしきおばあさんがいた。同僚のイケメン栗田記者がポルトガル語でいくらか聞いてみた。答えは何と日本語で返ってきた。「あんたら、日本から来たのか?」。ナカジマさんは日本からやって来た両親のもとに生まれた日系2世。お母さんが九州の生まれ。独特のアクセントが、より一層日本との深いつながりを感じさせた。地球の裏側にあるが遠くて近い国。ブラジルにいると、妙に親近感を覚える瞬間がある。【八反誠】