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評論家

藤田俊哉ノート

藤田俊哉ノート

◆藤田俊哉(ふじた・としや)MFとしては史上初の100得点を達成。幅広い経験をもとに独自の 視点を生かした評論を「藤田俊哉ノート」と題し、これからの日本サッカーのあるべき姿や、代表戦での勝負を分けたプレーの分析を読者に届けます。 欧州での指導者業挑戦のため中断した「藤田俊哉ノート」がブラジルW杯で復活。

メッシ役割確認 消える戸惑い


<W杯:アルゼンチン2-1ボスニア・ヘルツェゴビナ>◇1次リーグF組◇15日◇リオデジャネイロ

 メッシが初戦で得点できたことは大きい。バルセロナではエースFWとして何年も続けて結果を出してきたが、代表では実力が発揮できていなかった。その理由はクラブと代表で役割が違うため。シャビやイニエスタらパス職人がそろうバルサではストライカーに徹することができるが、今の代表ではイグアイン、アグエロと得点できるFWが多く、メッシはパスも、得点も、おとり役も求められる。役割の幅が広いため、自分が最もマッチする役を探りながらのプレーになり、戸惑いが生じるのは事実だ。

 この日も、マークがきついのもあって、下がってボールをさばきながら攻撃の起点になる時間帯もあったし、バルセロナならシュートを打つ場面でも、他のFWへのパスを選択することもあった。初戦で得点を記録できなかったら、今大会も迷いながらのプレーを続けていたかもしれない。

 やはりメッシはペナルティーエリア付近でボールを持った時が一番怖い。得点シーンはまさにその証明で、細かいステップで相手2人をかわし、正確にミートした。あの位置なら、相手はファウルで止めるわけにもいかない。

 これから、徐々にストライカーのすみ分けができて、最も得意なペナ付近でのプレー回数は増えていくはず。つまり、試合を重ねる度に、メッシの得点シーンは増える可能性が高い。(元日本代表MF)

















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