◆評論家
中山雅史(なかやま・まさし)
日本サッカー史の一時代を築いたストライカー、中山雅史氏が日刊スポーツ評論家としてデビュー。W杯予選の過酷な戦いを経験し、2度のW杯に出場した中山氏が、当時を振り返るとともにザックジャパンに緊急提言した。
中途半端でボール奪えなかった前半
<国際親善試合:日本4-3ザンビア>◇6日(日本時間7日)◇米フロリダ州タンパ
足が予想外の場所から伸びてくる。球際も激しい。ドリブルのリズム、加速も違う。そんなアフリカ勢に対し、一瞬のスキを突かれる恐さ。コートジボワール戦の前に、それら全てを体感できたということが、最大の収穫だったと言える。
インターセプトを狙う時も、中途半端だと簡単に体を入れ替えられて前を向かれてしまう。ボールを奪いに行くなら、警告を覚悟するくらいの激しさを持っていかないと。インターセプトに行く場合、奪えなかった時のリスクマネジメントも大事になる。この日は特に前半、奪えずにピンチを迎える場面が多かった。
前半は攻撃面も単発だった。運動量が少なかったため、ボールを持っている選手をフォローする動きが少なく、パスを受けた選手が孤立するケースが多かった。ただでさえ、アフリカ勢は身体能力が高く、1対1で劣勢になることが多いから、フォローする動きは絶対に必要。実際、後半は相手の疲労もあったが、それができていた。
不安定な試合をしながらも、勝ちきることができた。W杯に向けて結果を残すことが勢いにもなる。あとは、課題を修正できれば本大会にもつながるはずだ。(日刊スポーツ評論家)