◆評論家
中山雅史(なかやま・まさし)
日本サッカー史の一時代を築いたストライカー、中山雅史氏が日刊スポーツ評論家としてデビュー。W杯予選の過酷な戦いを経験し、2度のW杯に出場した中山氏が、当時を振り返るとともにザックジャパンに緊急提言した。
ザック日本の問題点 散漫!守備の集中力
元日本代表FW中山雅史氏(46=日刊スポーツ評論家)が、コートジボワール戦を前に日本の現状を分析した。米国キャンプでの2試合を現地で見て、攻撃面よりも失点数が増えている守備面を指摘。1トップの起用法ではFW大迫勇也(24=1860ミュンヘン)とFW柿谷曜一朗(24=C大阪)それぞれの特徴を挙げた。途中から投入する切り札にはFW大久保嘉人(32=川崎F)を指名。自らもメンバーに名乗りを上げながら? ブラジルで語った。
米国キャンプでの2試合を現地で見たゴン中山が、真っ先に指摘したのは守備だった。コスタリカに1失点、仮想コートジボワールのザンビアには3失点。いずれも先制されてからの逆転勝利を収めたが、計4失点の現状を鋭く突いた。
ゴン 問題は守備。確かにバランスは崩れていない。数的同数の状況でマークの付き方、ポジショニングに対しどれだけ注意力が持てるか。人数そろっているのにやられている現状が、問題なんじゃない。集中力が散漫。ザッケローニ監督が会見(10日)で「同数だからいい」ということを言っていたけど、数的優位に持っていきたいよね。W杯でしっかり守りたいなら優位にするべき。かわされてもカバーがいる状況をつくるべき。攻撃でも言える。クロスに3人、4人と入れるか。
つまり相手よりも運動量がまさることが大前提。その上で数で上回り主導権を握る。そこでカギになるのが1トップ。大迫と柿谷、特徴を挙げていった。
ゴン 大迫は裏に抜けるというよりも、相手DFラインで収めて散らす。厚みのある攻撃という意味では、有効かな。柿谷は裏に抜けて一気にゴールできる。ただ単発になる可能性もある。序盤は元気にガツガツくる相手にどちらを選択するのか。
そして今、日本の起爆剤になっているのが、大久保だ。キレと爆発力はこの短期間で証明済み。ゴン中山も認めた上で、ジョーカーに指名した。
ゴン どこでもできる。でも1トップはないんじゃないかな。長い時間見てない。むしろ、トップ下はある。本田に不測の事態が起こったとき、いけるよね。いずれにしても切り札的存在になっている。ザンビア戦のトラップは素晴らしかった。飛び出すためには2列目の方がいい。途中から出たら、相手が怖いよね。それか中山だよね。いつでもいける準備はしてますよ!!(元日本代表FW)