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OGGIの「毎日がW杯」

OGGIの「毎日がW杯」

荻島弘一(おぎしま・ひろかず):1960年(昭35)東京都出身。84年に入社し、スポーツ部勤務。五輪、サッカーなどを担当して96年からデスク。出版社編集長を経て05年から編集委員として現場取材に戻る。

FIFAランクは実力通りだったかも


 1次リーグ1巡目が終わった。16試合のうち6試合が逆転で決着。0-0の引き分けは1試合だけで、1試合平均3点を超える49ゴールが生まれた。

 実力が適性に反映されていないと思うFIFAランクだが、対戦上位国の成績は12勝2分け2敗。敗れたのは1位のスペイン(相手は15位のオランダ)とウルグアイ(同28位のコスタリカ)だけだった。43位のイランと44位のナイジェリアが引き分けたのを見ると、意外とFIFAランクは当たっているのかも。

 1巡目を終えて、見えてきたのは主審の判定の「傾向」だ。1つはPK。ペナルティーエリア内での相手を押さえ込む反則(ホールディング)が、厳しくとられている。16試合でPKによるゴールは6点、前回の南アフリカ大会は1次リーグ48試合で7点だから、PKの多さがゴールラッシュにもつながっている。

 もう1つはアドバンテージの積極的な活用。スイスがエクアドル戦の終了間際にあげた決勝点を「アシスト」したのは、エクアドルのファウルを「流した」ウズベキスタン人のイルマトフ主審。スイスのカウンター攻撃を実らせる好ジャッジだった。

 審判に関しては、今大会から変わったことがある。1つはゴールの判定。7台のカメラで高速撮影し、瞬時にゴールラインを割ったかどうか判断する「ゴールラインテクノロジー」が導入された。ホンジュラス戦でのフランスFWベンゼマのゴールは、これによって判定された。

 もう1つは「バニシング・スプレー」。FKの際に相手選手は10ヤード(約9・15メートル)離れなければならいが、この距離を分かりやすくするためにピッチにラインを引くスプレーだ。ラインは数十秒で消えてしまうが、選手の足もとに吹き付けているシーンは、テレビ放送でも流れている。

 開幕のブラジル-クロアチア戦を担当した西村主審が示した今大会の「判定基準」には、FIFAの「試合をよりスピーディーに、エキサイティングに」という意図が表れている。スピードを落とさずに、相手を背後に置き去りにする攻めが有効。この傾向が、各チームのカウンター攻撃の破壊力を増している。

 審判の判定以外にも、1巡目で目立ったこと。1つはGKの優劣。この日、メキシコのオチョア(ブラジル戦は2巡目だけど)は、再三のスーパーセーブでブラジルを完封した。一方、ロシアのアキンフェーフはミスで韓国に先制点を献上した。勝ち上がるためにGKの出来は重要で、今後も勝敗に大きな比重を占めそうだ。

 もう1つは、監督采配。点を取り合うオープンなゲームが多いから、選手交代を含めた監督采配が勝敗に大きく影響する。この日、ベルギーのウィルモッツ監督は好采配でチームを逆転勝ちに導いた。オランダはファンハール監督のカウンター戦術でスペインを撃破したし、スイスのヒッツフェルト監督も見事な選手起用を見せた。

 審判の判定とGKの好不調、さらに監督の采配が2巡目、3巡目、さらに決勝トーナメントでも大きく勝敗を左右しそうだ。

















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