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OGGIの「毎日がW杯」
荻島弘一(おぎしま・ひろかず):1960年(昭35)東京都出身。84年に入社し、スポーツ部勤務。五輪、サッカーなどを担当して96年からデスク。出版社編集長を経て05年から編集委員として現場取材に戻る。
一番面白いのはやはり準々決か/よもやま話
大会も終盤戦に突入、あと8試合を残すのみとなった。4日(日本時間5日)と5日(同6日)にはベスト8が激突する準々決勝が行われる。W杯には「一番面白いのは準々決勝」という言葉がある。タイトルに向けて緊張感が大きくなる決勝戦や、決勝進出のために慎重な試合運びになりがちな準決勝以上よりも、互いに実力のすべてを発揮することが多い準々決勝が楽しいというわけだ。
言葉の真偽は定かではないが、確かに記憶に残る試合は多い。現在のように1次リーグ突破16チームが決勝トーナメントを争うようになったのは86年メキシコ大会から。以来前回まで7大会で、数々の名勝負を生んできた。
86年大会はマラドーナが「5人抜き」したアルゼンチン-イングランド、フランスのプラティニとブラジルのジーコが激闘を演じたのも同年だった。90年大会はストイコビッチのユーゴスラビアがアルゼンチンにPK戦負け、94年大会ではイタリアのバッジョが2得点でスペイン撃破。98年大会はオランダのベルカンプがアルゼンチン戦でスーパーゴールを決めた。
最近でも準々決勝は記憶に残る試合が多い。前回大会ではオランダがブラジルと死闘を演じ、ウルグアイのスアレスはガーナ戦でハンドをした。歴史に残るスーパーゴールが多く飛び出すのも、準々決勝だ。
さすがに、過去の準々決勝で登場するのはブラジルやアルゼンチン、ドイツ、イタリア、オランダなど上位の「常連」が多い。ビッグネーム同士が対戦するのも、準々決勝を盛り上げる要因だろう。今回は、コスタリカなど「見慣れない」名前をもあるが、そんなチームがどこまでやるかも、見どころになる。準々決勝に勝てば残り2試合(準決勝後に決勝か3位決定戦に進出)あるが、負ければ大会を去ることになる。「生か死か」の戦いが、準々決勝で見られる。【荻島弘一】