◆評論家
岡野雅行(おかの・まさゆき)
1972年(昭47)7月25日、横浜市生まれ。日大中退で94年に浦和入り。神戸、浦和、TSWペガサス(香 港)、鳥取でプレーし、昨年引退。日本代表で国際Aマッチ25試合2得点。175センチ、72キロ。
きれいなサッカーをしすぎた
これが現実ということです。確かに日本は技術面でうまくなった。でも勝ちへのこだわりや、球際の強さ、そして怖さは足りなかった。世界と「ケンカ」出来なかった。Jリーグなら警告や退場になりかねない激しいプレーも、ファウルさえ取られないケースがあります。何も危険なプレーをしろと言うわけではないんです。僕たちJ3も含めて、Jリーグで「闘うこと」をクセにしなければならない。弱くて倒された選手のために、ファウルは取らなくてもいい。
他国の選手は、国歌を聞いて泣いている人が何人もいる。それだけ重圧、責任を感じている。言い方は悪いですがW杯でのサッカーは「ケンカ」です。理想を言うのは大切ですが、その分戦わないといけない。強化試合で日本に敗れたコスタリカは、W杯で一変して死の組をトップで通過した。この差はなんだったのか。
日本はきれいなサッカーをしすぎた。欧州の一流クラブで活躍する選手が増えましたが、それらのクラブは周りもみんなうまい。今大会は特に、個人で戦えないと厳しい。プレーの幅を広げていかないと、差は埋まりません。
中心選手は今後、いろいろと言われるかもしれませんが、跳ね返してほしい。「次こそやってやる」と精神的に強くなることが先につながりますし、それができる選手たちだと信じています。(鳥取GM 岡野雅行)