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評論家

岡野雅行

岡野雅行(おかの・まさゆき)

1972年(昭47)7月25日、横浜市生まれ。日大中退で94年に浦和入り。神戸、浦和、TSWペガサス(香 港)、鳥取でプレーし、昨年引退。日本代表で国際Aマッチ25試合2得点。175センチ、72キロ。

スペースなくてもロッベンは「速い」


<W杯:オランダ2-1メキシコ>◇決勝トーナメント1回戦◇6月29日◇フォルタレザ

 この試合もロッベンはキレキレでした。何がすごいって3、4人いても仕掛けるところがすごい。普通はバックパスしてしまう。途中から右サイドに入ってさらに良くなった。相手のDFからすれば、ファウルで止めるか突破されるかのどちらか。コンディションの良さも伝わってきます。

 以前、本当のスピードスターはボールを持った時に速い選手のこと、と言いました。そして「ちょっと速いくらいじゃ『速い』とは言いません、スッと行きますね」くらいにとどめますとも言いました。ロッベンについては言わざるをえないですよ。「速い!」と。ボールの置きどころも抜群。ドリブルの速さだけじゃなく、ターンや止まるスピードも速い。僕もそうでしたが、スピードタイプの選手は、スペースがないと能力を生かし切れないことがある。でもロッベンは違う。お構いなしに突破できるのがすごい。今回ばかりは格安で鳥取に来てほしいとは言えないですね(笑)。

 オランダの負けが濃厚になり、追い付いた後も延長の可能性が高かった。前日のブラジル-チリも延長だったし、テレビの前で「また延長!?」って独り言を言ったとたんにPK。寝不足だったので助かりました(笑)。あのPKが微妙という意見もあると思いますが、メキシコは前半から何度もやられていた。最後まで落ちないロッベンのスピードが導いた勝利です。(鳥取GM 岡野雅行)

















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