◆評論家
岡野雅行(おかの・まさゆき)
1972年(昭47)7月25日、横浜市生まれ。日大中退で94年に浦和入り。神戸、浦和、TSWペガサス(香 港)、鳥取でプレーし、昨年引退。日本代表で国際Aマッチ25試合2得点。175センチ、72キロ。
戦術の転換期迎えた大会
<W杯:ドイツ1-0アルゼンチン>◇決勝◇13日◇リオデジャネイロ
とにかくドイツは勝負強く、したたかでした。緊張感のある、決勝らしい決勝だったと思います。僕も現役の時に、決勝戦に出場した経験があります。「ミスをしないように」とか「余計なことして取られたらどうしよう」とか変な意識が働くもの。それでも緊張感が生まれたのは、ドイツは常に縦パスを狙っていたし、アルゼンチンはドイツDFラインの裏のスペースへドリブルで飛び出そうとしていた。慎重な中にも、攻撃的な姿勢があったので、濃い120分になったと思います。
メッシの決定的なシュートは1度だけですかね。あとはサイドを中心にドリブルでのチャンスメーク。そうなると怖さは減る。それなら、もっと守備をしてほしいかなって思いますが、僕が言っちゃ怒られます(笑い)。
今大会はとにかく見応えのある試合が多かった。ブラジルの負け方も衝撃的。完全ホームの雰囲気で、逆にアウェーのように硬くなってしまった。戦術的にも転換期を迎えたような大会で、将来「ブラジルW杯はこうだったよな」って語り継がれる大会になるはずです。ガイナーレ鳥取も見応えのある試合をしながら、J2復帰が出来るよう、一層頑張らなければなりません。今後、何か違った形でお会いできればと思っています。ご声援をよろしくお願いします。(鳥取GM 岡野雅行)