2018年冬、平昌…羽生結弦、強い心の物語
羽生結弦が平昌で伝説をつくった。強い心の物語である。4カ月ぶりの実戦が、フィギュアスケート男子66年ぶりの連覇をかけた五輪。痛めていた右足首も癒えてはいない。そんな計り知れない重圧と不安…[続きを読む]
首藤正徳(しゅとう・まさのり)五輪は92年アルベールビル冬季大会、96年アトランタ夏季大会を現地取材。08年北京、12年ロンドン大会は統括デスク。現在は2020年東京五輪・パラリンピック準備委員。
羽生結弦が平昌で伝説をつくった。強い心の物語である。4カ月ぶりの実戦が、フィギュアスケート男子66年ぶりの連覇をかけた五輪。痛めていた右足首も癒えてはいない。そんな計り知れない重圧と不安…[続きを読む]
カーリング日本女子の黄色いストーンが弾かれて、中央へ動いた。銅メダルが決まったあのシーンは、本当に英国のミスショットなのか。私はどんな時も笑顔を絶やさず、スポーツマンシップを忘れなかった…[続きを読む]
五輪が面白いのは、必ずしも実際の順位と自分の見た印象が合致しないところだ。それは選手たちに、自らの価値観や美意識、人生観を投影して見てしまうからだと思う。フィギュアスケート女子シングルの…[続きを読む]
スノーボード女子ビッグエア決勝でメダルの夢がついえた後、16歳の岩渕麗楽の瞳からこらえていた涙がこぼれ落ちた。コーチに肩を抱かれると両手で顔を覆って泣きだした。この光景が私にはまぶしかっ…[続きを読む]
スピードスケート女子団体追い抜きの日本の3選手は、一体の精巧なマシンのようだった。空気力学を最大限に追究した隊列は、まるで後方の2選手が先頭の影のようで、乱れることがなかった。タイムロス…[続きを読む]
「オリンピックには魔物がいる」とよく言われる。その魔物を目の前で見たことがある。1992年アルベールビル大会。フィギュアスケート女子の伊藤みどりが、オリジナルプログラム(OP、現ショート…[続きを読む]
スピードスケート女子500メートルの小平奈緒の金メダルから一夜明け、前日には気づかなかったレース後の映像に目を奪われた。五輪記録に金メダルを確信して沸き立つスタンドに向かって、小平が人差…[続きを読む]
ピョンチャン大会も後半に突入した。羽生結弦と小平奈緒の連日の金メダルに現地の士気も高まっているに違いない。一方で日本では戦い終えた選手の帰国ラッシュが続いている。ジャンプの高梨沙羅も伊藤…[続きを読む]
羽生結弦の金メダルの演技は、30年にも及ぶ4回転時代のフィギュアスケートの完成形なのだと思った。静かで優雅な流れの中、よどみなく、高くて美しい4回転ジャンプを何度も決めた。顔にも体にも力…[続きを読む]
16日のフィギュアスケート男子ショートプログラムには30人が出場した。羽生結弦の圧巻の演技に心を揺さぶられた一方で、常夏の国、マレーシアから初出場した20歳のイー・ジージエのガッツポーズ…[続きを読む]
1998年2月17日、長野五輪ジャンプ団体で日本は金メダルを獲得した。あの吹雪の中の大逆転ドラマを、渡部暁斗は会場で見ていた。当時小学3年生。観客席の熱気が強く心に残ったという。その数カ…[続きを読む]
スノーボード男子ハーフパイプ決勝は、まるで世界最高峰のサーカスを見ているようだった。だからサーカスの観客気分で大トリのショーン・ホワイト(米国)にも、私は最高のパフォーマンスを期待した。…[続きを読む]
真っ赤なウエアの伊藤有希は、テレビカメラを横切って、真っ先に高梨沙羅を抱きしめた。「おめでと――」の歓喜の声が雪上にこだまする。悲願のメダルを決めて感極まる2歳下の好敵手の顔にほおを寄せ…[続きを読む]
スピードスケート女子1500メートルの高木美帆の銀メダルが、万感胸に迫った。今季W杯4戦全勝でメダルは確実視されていたとはいえ、やはり五輪という特別な舞台で実現すると感慨深い。短距離の瞬…[続きを読む]
スノーボード女子スロープスタイル予選が、強風で中止になった。12人で争う予定だった12日の決勝には全27選手が出場する。「コース状況が悪かったので中止でよかった」とは金メダル候補の鬼塚雅…[続きを読む]
ジャンプは恐怖心との闘いだという。時速100キロを超えるスピードで、斜度40度の着地点に突入する。遠くに跳ぶほど斜度がなくなり、雪面が立ち上がって、目の前に迫ってくる。「大ジャンプを飛ぶ…[続きを読む]
平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)の開会式を見た。開幕前から南北融和の押しつけにへきえきしていたためか、いつものように心から感動できなかった。南北合同チームの真冬のカーニバルのような行…[続きを読む]