◆評論家
セルジオ越後(せるじお・えちご)
1945年(昭和20年)7月28日、サンパウロ生まれ、日系2世。18歳で名門「コリンチャンス」とプロ契約。右ウイングとして活躍しブラジル代表候補にも選ばれる。72年来日。藤和サッカー部(現:湘南ベルマーレ)ではゲームメーカーとして貢献。辛辣で辛口な内容とユニークな話しぶりにファンも多い。
ある意味実力通り 今のままでは勝てない
<国際親善試合:日本1-0キプロス>◇27日◇埼玉
心配事がたくさん残った試合だった。結果を出してほしかった本田も香川も、クラブでそれぞれのリーグ戦を戦っている時のままのプレー内容。ある意味、実力通りだったね。この状態では1次リーグ突破だって厳しい。ザッケローニ監督はどこで彼らに見切りをつけるか考えているんじゃないかな。
本田をはじめ選手たちは「優勝する」なんて宣言しているみたいだけど、今のままで勝てるわけがない。ザッケローニ監督は1度、本田に面と向かって「お前、優勝なんて言っている場合じゃないだろ。レギュラーだって保証しないぞ」って腹を割って話せばいいんだよ。そうすることで緊張感が生まれる。本田や香川だってもっとひたむきにプレーするだろう。
今日の試合だったら、4年前の韓国との壮行試合(0-2で敗戦)の方がまだ良かった。だって45分しか走れないんだから。ザッケローニ監督は「鹿児島で負荷をかけてトレーニングしてきた」って言っていたけど、そんなのは言い訳にはならない。だってこれからフロリダ、ブラジルと、もっと暑くなっていくんだよ。これからどうコンディションを整えていくかは、本当に難題だと思う。(日刊スポーツ評論家)