◆評論家
セルジオ越後(せるじお・えちご)
1945年(昭和20年)7月28日、サンパウロ生まれ、日系2世。18歳で名門「コリンチャンス」とプロ契約。右ウイングとして活躍しブラジル代表候補にも選ばれる。72年来日。藤和サッカー部(現:湘南ベルマーレ)ではゲームメーカーとして貢献。辛辣で辛口な内容とユニークな話しぶりにファンも多い。
海外組を持ち上げすぎたツケ
<W杯:日本1-4コロンビア>◇1次リーグC組◇24日◇クイアバ
日本には勝って欲しかったけど、別にショックとは思わない。僕の評論をずっと読んでくれていた人も、今日の結果については理解できると思う。今まで幾度となく世界とはまだ差があると言い続けてきたから。
だが多くのメディアは警告するのを忘れてきた。コロンビアの1軍が2人ぐらい登場しただけで、こてんぱんに負けてしまうという現実を。警告どころか、海外でプレーしているだけで選手を持ち上げ、偽りのスターを作り上げてきたつけが回ってきたんだ。本当の海外組とは、コロンビアのロドリゲス(フランス1部モナコ)のような選手のことを言うんだよ。
この惨敗を4年後の糧にしなければならない。今大会、アジアのチームは全滅だ。アジアで勝った、負けたって、そこで威張ってどうする。もっとお金をかけて海外に出て、いろんな国と勝負しなければ、強豪国には勝てない。
何より明日からはメディアの姿勢が問われる。ニセの海外組をチヤホヤせず、みんなで反省して、伝える側もレベルを上げていかなければ、4年後もまた同じことの繰り返しだと思う。(日刊スポーツ評論家)