◆評論家
セルジオ越後(せるじお・えちご)
1945年(昭和20年)7月28日、サンパウロ生まれ、日系2世。18歳で名門「コリンチャンス」とプロ契約。右ウイングとして活躍しブラジル代表候補にも選ばれる。72年来日。藤和サッカー部(現:湘南ベルマーレ)ではゲームメーカーとして貢献。辛辣で辛口な内容とユニークな話しぶりにファンも多い。
メキシコ気迫の守備 日本も見習え
<W杯:ブラジル0-0メキシコ>◇1次リーグA組◇17日◇フォルタレザ
オチョアのセービングは素晴らしかった。このA組が難しいということをあらためて感じた。メキシコはGKを含め、ただ守るだけでなく、向かっていく気迫があったよ。優勝候補のブラジルですら、気持ちの入った守備をするチームには苦しむんだ。主審があまりイエローカードを出さなかったこともあり、メキシコのDF陣は最後まで思い切りプレーしていた。
今大会では米国もカウンターで少ないチャンスをものにした。イランだって必死に守ってドローに持ち込んだ。彼らの守備重視の姿勢がネガティブに映っただろうか? 日本もそこを学ばなければならない。「守ってやりたくない」とか言っていないで、守備の気迫をテーマにプレーすれば、攻撃は自然に生まれる。守りは意識しなければできない。
この試合で気になったのは、ブラジルはネイマール以外に「W杯を奪回する」という実力を持っている選手がいないということ。選手交代もフレジとジョーなど似たタイプが多い。ロナウドやロマーリオのように自分で打開できる選手がいないことが今後、どう影響するか。(日刊スポーツ評論家)