【大の里の言葉】「いやぁ、年内はきついんじゃないですかね、はい」優勝一夜明け会見全文

大相撲夏場所で、初土俵から所要7場所の史上最速優勝を果たした小結大の里(23=二所ノ関)が、千秋楽から一夜明けた27日、茨城・阿見町の部屋で会見した。終始笑顔で行われた会見の一問一答を、全て紹介する。

大相撲

大相撲夏場所の優勝一夜明け会見に臨む大の里(撮影・小沢裕)

大相撲夏場所の優勝一夜明け会見に臨む大の里(撮影・小沢裕)

NHKによる代表質問

―初優勝から一夜明けて今の気持ちは

大の里 やっぱり、優勝したんだなという実感が沸きました。

―優勝を実感した瞬間は

大の里 やっぱり、天皇賜杯を抱いた瞬間が一番、優勝したという実感がすごい沸きました。

―賜杯を受け取った感触は

大の里 やっぱり、すごい重かったですし、ずっと小さい時から見ていたので。えー…。はい。

大相撲夏場所で初優勝を果たした大の里と喜ぶ、右から父の中村知幸さん、母朋子さん、1人おいて妹葵さん(代表撮影)

大相撲夏場所で初優勝を果たした大の里と喜ぶ、右から父の中村知幸さん、母朋子さん、1人おいて妹葵さん(代表撮影)

―過去に見ていた賜杯を受け取る瞬間と重なりましたか

大の里 (少しはにかんで)いや、別にそういうのはないですけど、はい。

―あらためて15日間の戦いを振り返って

大の里 本当に、えー、ようやく終わったなという感じですし。まあ、でも、次に向けて頑張らないとダメだなという気持ちになります。

―「ようやく」ということは長く感じたということですか

大の里 そうですね。長かったですね。

―それは先場所までとの違いですか

大の里 そうですね。一応、優勝という形で終わっているので。まあ、先場所とは違う形で終われたということはうれしいですね。

―優勝という結果でしたが、ターニングポイントとなったのはどこでしたか

大の里 いや、でも本当に優勝のことは考えずに、1日一番、集中して相撲を取ることができたので、それがよかったかなと思います。

―千秋楽の勝てば優勝という一番を経験したことはなかったと思いますが、そこを振り返ってどうですか

大の里 本当に、朝からビックリするぐらい、いつも通りの朝を迎えて、何も考えることなく。もう本当に…。いつも通りの朝を迎えたと、本当に…。でしたね。

―14日目の夜も睡眠はしっかりと取ることができましたか

大の里 本当に…。優勝ということを全く考えていなかったので、いつも通りでしたね。明日、終わったら、場所が終わるという感じのとらえ方をしていたので。はい。

―相手は阿炎関

大の里 だいたいは、予想はついていたので。割が出るまでに時間がありますけど「だろうな」という感じもあったので、はい。しっかり。(阿炎は)前日に大関(琴桜)に勝っているので、勢いにも乗っていますし、しっかり頑張ろうということで、はい。

―どういう策で臨んだのでしょうか

大の里 いや、もう本当に、気持ちが高ぶって先走ってしまうと、いっぱい、苦い経験があるので(苦笑)。えー、あまり考え過ぎず、えー、やりましたね、はい。

―花道を入ってくる時からものすごい歓声。それで硬くなるですとか、これまでと違う感情が出てくるといったことは

大の里 いやー、本当に、先場所の大阪場所で、だいぶ優勝ということを意識してしまった部分もあったので、今回に関しては全く…。考えてもなかったので、だから、えー。勝って。天皇賜杯を抱いて、優勝したんだなという実感が沸きましたね。

阿炎(右後方)を押し倒しで破り優勝を決めた大の里(撮影・滝沢徹郎)

阿炎(右後方)を押し倒しで破り優勝を決めた大の里(撮影・滝沢徹郎)

―相撲を取る段階でプレッシャーはなかった

大の里 ああ、なかったですね。

―優勝への意識が、先場所はあった

大の里 そうですね。優勝したかったですし、やっぱり、えー。ちょっと考えてはいましたね、はい。

―先場所は追いかける展開

大の里 そうですね、意識はめちゃくちゃしていましたね。

―それを踏まえて今場所は、3敗以上したら優勝はないということでしたが

大の里 3敗した時点で、優勝は絶対にないと思っていたので。「来場所につなげる相撲を」ということに、目的を変えて。千秋楽、頑張ろうと、やりましたね。

―3敗した時点では追いかける展開。ただ2敗だった湘南乃海関が敗れて並びましたが

大の里 いや、何も考えてないですね、本当に。しっかり、三役ではあるので、数字的な面が大事になってきますし、その先の番付に向かっていくことが大事になってくると思うので。えー、しっかり。2桁勝てた瞬間はすごい、ホッとしましたし。えー…。(ただ)まだ先の番付があるので、そこはあまり考え過ぎず、しっかり今場所できたのはよかったですね。

優勝一夜明け会見に臨む大の里(撮影・小沢裕)

優勝一夜明け会見に臨む大の里(撮影・小沢裕)

―7場所目での優勝は最速記録。スピード出世の受け止めは

大の里 いや、でも、全く考えていないですし。いろいろ、耳には入れないように、目にも見えないように、場所中も一応、ネット記事とかをあまり見ないようにしていたので。見てしまうと意識してしまう部分もあるので。はい。だから自然体で。場所が終わって、そういった記録ということを聞いて、すごいうれしかったです、はい。

―テレビや新聞でも報道されていたがシャットアウト

大の里 そうですね。あまり。見ちゃうと、意識意識してしまうので、はい。

優勝一夜明け会見で快挙を報じる本紙を読む大の里(撮影・小沢裕)

優勝一夜明け会見で快挙を報じる本紙を読む大の里(撮影・小沢裕)

―7場所で優勝。成長してきた部分は

大の里 やっぱり、本当に、二所ノ関部屋に入って、あらためてよかったなと思いますし。親方(二所ノ関親方=元横綱稀勢の里)の元で、基礎、基本、立ち合いを、また一から指導してもらって。やっぱり、去年の5月場所の相撲から想像できないくらい、下半身も安定してきて、落ち着いて相撲を取れるようになってきたので、やっぱり、親方から言われた指導の成果が出てきているので、よかったなと思います。

―15日間の中で、それを実感した日などは

大の里 負けた相撲は全部ダメですけど、勝っている相撲とか、落ち着いて、膝も曲がって、相撲を取れていたと思うので。でも、親方は「まだまだ」と言っているので(少し笑う)、これからも頑張らんとダメだなと思いますね。

―一番手応えを感じた相撲は

大の里 いや、でも、まだ全部振り返っていないので。これからしっかり、映像を見て振り返りたいなと思いますね。

―横綱に勝てたことは

大の里 本当に、えー…。まあ本当に、うれしかったですね、はい。

―いろいろと考えて臨んだ

優勝一夜明け会見で地元石川県の質問に笑顔で応える大の里(撮影・小沢裕)

優勝一夜明け会見で地元石川県の質問に笑顔で応える大の里(撮影・小沢裕)

大の里 今回の場所は、いろいろと試行錯誤して、自分なりに考えて。考えた場所でもあったので、それが、うまくはまった場所だったと思うので、えー、よかったです。

―小結で12勝。次に向けての起点になりましたが、これについてはどうお考えですか

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1999年入社。現在のスポーツ部ではサッカー(1)→バトル→五輪→相撲(1)→(5年半ほど他部署)→サッカー(2)→相撲(2)→ゴルフと担当。他に写真部、東北総局、広告事業部にも在籍。
よく担当や部署が替わるので、社内でも配った名刺の数はかなり多い部類。
数年前までは食べる量も社内でも上位で、わんこそばだと最高223杯。相撲担当になりたてのころ、厳しくも優しい境川親方(元小結両国)に「遠慮なく、ちゃんこ食っていけ」と言われ、本当に遠慮なく食べ続けていたら、散歩から戻った同親方に「いつまで食ってんだ、バカヤロー!」と怒られたのが懐かしいです。