【朝乃山を追う:2024年9月】どうなる番付?「また落ちるところまで落ちて、やっていくと」

7月の大相撲名古屋場所で、左膝に大けがを負った大関経験者の朝乃山(30=高砂)が、約1カ月ぶりに公の場に姿を見せた。9月29日に東京・両国国技館の大広間で行われた、元十両朝弁慶の酒井泰伸さん(35)の断髪式に出席。8月27日に、同じ場所で行われた力士会以来となる公の場だったが、持ち前の明るい表情は変わらず。「最近、しゃべってなかったので」と、少し“おしゃべりモード”で、9月の秋場所を連日、テレビ観戦した感想や、現状をたっぷり話した。一問一答を紹介する。

大相撲

兄弟子の元朝弁慶(右)の断髪式に出席し、はさみを入れる朝乃山

兄弟子の元朝弁慶(右)の断髪式に出席し、はさみを入れる朝乃山

―断髪式を行った元朝弁慶の酒井さんとの思い出は

朝乃山 思い出というのは、1つや2つでは絞れないですよね。最初に弁慶さんと面識ができたのは、僕が大学3年生の時。3月の大阪場所の時に、高砂部屋から若松親方(元前頭朝乃若)が、弁慶さんと朝天舞さんと、もう1人誰か連れてきたんですよ。その時に初めて一緒に稽古して。いやー、もう、その時は衝撃的でしたね。「プロの洗礼」といいますか。これがプロとアマチュアの違いなのかと、肌を合わせて感じました。

―近大の稽古場に高砂部屋の人たちが来た

朝乃山 そうですね。

―大学4年になる直前

朝乃山 そうです。

―特にどこが。重かったとか、圧力がすごかったとか

朝乃山 その2つですね。「湘南の重戦車」と言われていて、まさしくその通り。名前の通りだと思いますし。

―プロになってからも胸を出してもらった

朝乃山 そうですね。その時から胸を出してもらって。僕が入門した時には、もう弁慶さんは十両でしたから。あらためて部屋に入って、すごくかわいがってもらいました。一緒に食事に行ったり、稽古でも胸を出してくださったり。

ぶつかり稽古で朝弁慶(右)に胸を借り、苦しい表情を見せる朝乃山(2023年5月撮影)

ぶつかり稽古で朝弁慶(右)に胸を借り、苦しい表情を見せる朝乃山(2023年5月撮影)

―食事も結構行っていた

朝乃山 そうですね。弁慶さんはやっぱり、お客さんとの付き合いとかで忙しかったですけど、時間がある時は声を懸けてくださって、一緒に食事に行ったりしましたね。まあ、弁慶さんに食事を誘われた時はきつかったっす。いっぱい食べるので(笑い)。終わらなかったです。

―「もっと食え」と

朝乃山 ん―…。「もっと食え」というアピールはないですけど、弁慶さんが食べているので。身近に食べている人がいたら、一緒に食べなくちゃいけないという気持ちに(笑い)。

兄弟子の元朝弁慶(右)の断髪式で、はさみを入れ終えた後に握手を交わす朝乃山

兄弟子の元朝弁慶(右)の断髪式で、はさみを入れ終えた後に握手を交わす朝乃山

―朝乃山関のことについて。今は左膝はどんな状態。歩くことに支障はない

朝乃山 そうですね。(秋場所前の)力士会に出席して、あのころに比べると、少しずつ良くなっていますので。まあ、10月に入ってから、ちゃんとしたリハビリを。曲げるとか、体重を掛けるのは、できていない状態ですので、しっかりそこからやっていって、次、相撲動作になってくると思います。ちゃんとしたリハビリができるようになってくれば、少しずつ四股も踏めるようになってきます。

―膝を曲げるのが、まだちょっと違和感

朝乃山 そうですね。まだ曲げちゃいけないんですけど、少しずつ曲げたりしてみているんですけど。ちょっとロックがかかる(=スムーズに曲げられない)ので、そこで痛みというか、それが出るので。膝は大事な一部なので、ここでしっかりと治さないと。焦って、またやってしまうと、それこそ引退の危機。引退の危機というか、僕も来年、こうなっている(断髪式)かもしれないので。まあ、そうならないようにしっかりと治したいです。

富山市巡業の会場入り口には「朝乃山関」ののぼりがたくさん掲げられた(2017年8月2日撮影)

富山市巡業の会場入り口には「朝乃山関」ののぼりがたくさん掲げられた(2017年8月2日撮影)

―秋巡業が富山県の2カ所で行われるが参加しない

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1999年入社。現在のスポーツ部ではサッカー(1)→バトル→五輪→相撲(1)→(5年半ほど他部署)→サッカー(2)→相撲(2)→ゴルフと担当。他に写真部、東北総局、広告事業部にも在籍。
よく担当や部署が替わるので、社内でも配った名刺の数はかなり多い部類。
数年前までは食べる量も社内でも上位で、わんこそばだと最高223杯。相撲担当になりたてのころ、厳しくも優しい境川親方(元小結両国)に「遠慮なく、ちゃんこ食っていけ」と言われ、本当に遠慮なく食べ続けていたら、散歩から戻った同親方に「いつまで食ってんだ、バカヤロー!」と怒られたのが懐かしいです。