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サッカーaiブラジル日記
日本代表やJリーグで活躍する選手のピッチ上では知ることができない素顔を伝える雑誌「サッカーai」。ブラジルW杯での現地取材のこぼれ話や、おもしろいエピソード、感動の裏話などを紹介していきます。
吉田「あとは試合を見てもらえればいい」
W杯大会中、各国代表は試合の前日、スタジアムにて1時間ほどの公式練習を行います。日本代表も18日、ギリシャ戦の行われるナタールのスタジアムで最後の調整。メニューはいつも通りでしたが、選手たちからはよく声が出ていて、気迫が感じられました。
いつもは練習後に行われる選手インタビューですが、試合前日は公式練習の前にその時間が設けられています。
取材が始まるまでの間、報道陣は皆でスペイン対チリを観戦。試合がちょうど後半のアディショナルタイムに入ったころ、選手たちがミックスゾーンに姿を現したのですが、控え室で見ていた試合の結末が皆気になる様子。先頭を歩いていた内田篤人選手が、思わずテレビの前で立ち止まってしまったため、行列ができていました(笑)。
やはり選手たちも、前回王者の戦いを興味深く見ていたようです。「スペインでも2連敗してしまうんだから……」と、厳しいW杯の現実を前にして、気持ちを引き締めていました。
吉田麻也選手は現在の心境を聞かれて「変わりないです。いつも通り」と話し、「ギリシャ戦は全身全霊で戦わないといけない。けれど、過度な緊張も良くないですからね」
お互いに、絶対に勝ち点3を取るしかない、という状況での試合。選手は緊張やプレッシャーとの戦いでもあります。特に吉田選手にとっては初めてのW杯の舞台。それでも「最初のコートジボワール戦で、皆少しは緊張も解けたはず。次は大丈夫」と話しました。
コートジボワール戦での悔しすぎる敗戦から、中4日。この4年間で作り上げてきた、自分たちのサッカーを見せるために、できる限りの準備をしてきました。「あとは試合を見てもらえればいい」と吉田選手。「もちろん内容も伴ったいいサッカーをしたい気持ちはあります。だけど、泥臭くてもいい。何があっても勝ち点3を取る。それだけを意識したい」
選手たちだけでなく、ずっと日本代表を取材してきた報道陣もまた、「今の日本代表の実力はこんなものではないはず」と思っています。ギリシャ戦、共に勝利の喜びを分かち合えることを願って!(サッカーai編集部)