【西武森脇亮介】右上腕動脈閉塞から「ほぼほぼ1年ぶり」復活に拍手喝采/連載63

西武育成の森脇亮介投手(31)が、7月3日のイースタン・リーグ日本ハム戦(ベルーナドーム)で約1年ぶりの公式戦登板を果たしました。1/3 回を投げて2失点(自責0)で降板しましたが、本拠地のスタンドからは大歓声が送られ、拍手が何度も自然発生しました。昨年8月に「右上腕動脈閉塞(へいそく)症に対する上腕動脈パッチ形成術」を受け、術後は車いすでの生活も経験しました。今回は試合が終わり、シャワーを浴びた直後、マウンド上で巡った思いを明かしてもらいました。かみしめるように言葉を紡ぐ様子が印象的でした。

プロ野球

◆森脇亮介(もりわき・りょうすけ)1992年(平4)7月13日、京都府生まれ。塔南―日大―セガサミーを経て、18年ドラフト6位で西武入り。19年5月6日楽天戦でプロ初登板。20年から3年連続40試合以上登板。20年10~11月にリーグ5位タイの13試合連続HPをマーク。23年8月に右上腕動脈閉鎖症の手術。同年オフに育成選手となり、24年7月に実戦復帰を果たした。プロ通算195試合に登板し、15勝5敗、68HP、防御率2・71。175センチ、70キロ。右投げ右打ち。

23年7月、右腕に異変を感じ緊急手術へ

23年7月、右腕に異変を感じ緊急手術へ

23年7月登板後「腕が重く」緊急入院

【手術までの経過】

◆異変23年7月12日ソフトバンク戦(北九州)で1回無失点。登板後に「腕が重くなるっていうか、筋トレした後みたいな状態がずっと続いて」と、右腕の異変を感じた。翌13日に診察を受け、緊急入院に至った。

◆診察結果「右上腕動脈閉塞(へいそく)症」と診断される。投球動作の繰り返しによって、右鎖骨下動脈に血栓ができ、右腕に血液が十分に行き届かない状態だった。

◆手術「右上腕動脈閉塞(へいそく)症」では、カテーテルを用いて血栓をかき出す手術法が主流。だが、医師から「完全な治療法ではないから、いつ再発するかわからない」と説明を受けた。再発の可能性を0に近づけるため、右脇下から上方向に大きくメスを入れ、血管を縦に裂いて広げ、その上にパッチを当てる「パッチ形成術」を選択。より体に負担がかかる手術法を決断した。

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野球

黒須亮Ryo Kurosu

Tokyo

1998年5月、茨城県古河市出身。23年入社。古河三高から2浪の末、「おもしろそうだから」という理由で出願した立大文学部キリスト教学科に入学できた。ゼミは「キリスト教音楽論」。立大野球部ではDeNA中川颯投手が2学年上、楽天荘司康誠投手が同期。リーグ戦出場には遠く及ばなかったが、現在プロや社会人野球で活躍されている選手やマネジャーと過ごした4年間は貴重な時間だった。趣味は母がオペラ歌手だった影響から舞台観劇。また、幼少期からMLBが大好き。24年5月にドジャース大谷翔平投手と同じマットレスを購入するなど、とりあえず形から入る。