【連載2】明治ラグビー奪還へ~熱すぎる主将、兄の背中を追い10番継承 復活への願い

明大ラグビー部にとって、2018年度以来の大学選手権制覇を目指すシーズンが幕を開ける。今季、掲げたスローガンは「奪還」。関東対抗戦は9月8日青学大戦で開幕し、22日慶大戦と続く。連載の第2回は、主力選手に日本一への思いを聞いた。

ラグビー

明治ラグビー連載〈2〉

明大菅平合宿
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夏合宿の最終戦となった8月25日帝京大戦。モールを押す明大のFW陣(明大ラグビー部提供)

夏合宿の最終戦となった8月25日帝京大戦。モールを押す明大のFW陣(明大ラグビー部提供)

日本一への第1歩
9.8対抗戦で開幕

1歩、また1歩-。

明大ラグビー部は着実に「前へ」と進んでいた。

お盆に入る前からスタートした2週間に及ぶ菅平高原での合宿を26日に打ち上げた。

充実と成長。彼らにとって、濃密な時間だったに違いない。

合宿前半にあった筑波大戦(14日)と、天理大戦(18日)でまさかの連敗。

それはラグビー関係者の中で、ちょっとした話題になった。

もしかすると今シーズンの大学ラグビーは、例年とは違うのだろうか-。

大学選手権3連覇中の帝京大を追うのは同じ関東対抗戦の明大であり、早大で、関西王者の京産大が続くのではないか。

そんな構図は軌道修正する必要があるのかも知れない。

この春、天理大は5-48で京産大に大敗している。

その天理大に、明大は敗れたのだ。

ただ、明大は逆境からはい上がる術を知っている。

それが紫紺の伝統なのか。簡単に終わるようなチームではなかった。

2024年1月13日、ラグビー全国大学選手権決勝 明大―帝京大は悪天候の中で行われた

2024年1月13日、ラグビー全国大学選手権決勝 明大―帝京大は悪天候の中で行われた

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編集委員

益子浩一Koichi Mashiko

Ibaraki

茨城県日立市生まれ。京都産業大から2000年大阪本社に入社。
3年間の整理部(内勤)生活を経て2003年にプロ野球阪神タイガース担当。記者1年目で星野阪神の18年ぶりリーグ制覇の現場に居合わせた。
2004年からサッカーとラグビーを担当。サッカーの日本代表担当として本田圭佑、香川真司、大久保嘉人らを長く追いかけ、W杯は2010年南アフリカ大会、2014年ブラジル大会、ラグビーW杯はカーワンジャパンの2011年ニュージーランド大会を現地で取材。2017年からゴルフ担当で渋野日向子、河本結と力(りき)の姉弟はアマチュアの頃から取材した。2019年末から報道部デスク。
大久保嘉人氏の自伝「情熱を貫く」(朝日新聞出版)を編集協力、著書に「伏見工業伝説」(文芸春秋)がある。