【150秒の青春】創部40年!日本一奪回へ日体大の「仲間を見捨てない」感動の演技

日体大VORTEXが復権への道を歩む。今季は創部40周年。大学日本一をかけたチアリーディングの学生選手権(インカレ=12月21~22、高崎アリーナ)では日本一奪回が目標になる。学生最後の演技となる4年生全員の思いとは-。美しさとともに強さを取り戻そうと練習を重ねるチームを紹介する。

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たくさんの個性が融合
VORTEXの魅力を紹介

練習場の扉をくぐった瞬間、VORTEXの魅力を感じることができた。

そこには楽しそうにウオーミングアップをする選手がいた。

会話をしながら、みんなが笑顔で、みんなが元気だった。

「タンブリングが上手なのはあの子ですよ~」

動画を撮影しようとしていると、1人の部員を紹介してくれた。

ベースの油井(ゆい)まるか(4年)。大学からチアを始めた選手だ。

スポットの佐野碧(みどり、4年)は神奈川県立百合丘高の出身。高3の夏はジャパンカップで決勝に進む目標がかなわず、見たことがない“景色”が見たくて大学チアに夢をかけた。

ベースの藤井望恵(もえ、3年)は姉妹で日本一を目指し、故郷の北海道を離れた。妹の詠真(えま)は母とともに大阪へ渡り、梅花高で夢を追う。この夏、姉妹はともに優勝には届かず。あと1歩が遠かった。

キャプテンの齋藤星空(せいら、4年)。箕面自由学園ではAチームに入れていない。自分の成長を信じて日体大に進学し、1年の時にジャパンカップ優勝を経験した。

そして、誰よりも熱い思いを寄せてくれたのが、このチームを陰で支えるマネジャーの大嶋咲智子(4年)だった。

日体大の日本一を知る最後の代が、今の4年生になる。

決して才能ある選手ばかりではない。

初心者もいる。高校では活躍できなかった選手もいる。

たくさんの個性が集まり、美しさと強さを追い求めているのが、VORTEXの魅力だろう。

そんなチームを紹介する。

2024ジャパンカップ・ディビジョン1大学部門 決勝成績


順位チーム決勝得点総得点
1帝京大274.0412.0
2日体大253.5373.0
3梅花女子大246.5364.5

4位環太平洋大、5位日本文理大、6位関大、7位立命大、8位青学大、9位立教大、10位桜美林大、11位日本女子体育大、12位中京大

※総得点は決勝の得点に準決勝の50%を加算

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編集委員

益子浩一Koichi Mashiko

Ibaraki

茨城県日立市生まれ。京都産業大から2000年大阪本社に入社。
3年間の整理部(内勤)生活を経て2003年にプロ野球阪神タイガース担当。記者1年目で星野阪神の18年ぶりリーグ制覇の現場に居合わせた。
2004年からサッカーとラグビーを担当。サッカーの日本代表担当として本田圭佑、香川真司、大久保嘉人らを長く追いかけ、W杯は2010年南アフリカ大会、2014年ブラジル大会、ラグビーW杯はカーワンジャパンの2011年ニュージーランド大会を現地で取材。2017年からゴルフ担当で渋野日向子、河本結と力(りき)の姉弟はアマチュアの頃から取材した。2019年末から報道部デスク。
大久保嘉人氏の自伝「情熱を貫く」(朝日新聞出版)を編集協力、著書に「伏見工業伝説」(文芸春秋)がある。