【150秒の青春】今年も1400人が感動した優勝報告会~箕面自由学園Vの軌跡

チアリーディングのジャパンカップで5連覇を達成した箕面自由学園GOLDENBEARSの優勝報告会が11月6日に盛大に行われました。集まった1400人が感動した日本一にたどり着くまでの舞台裏を紹介します。

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2024年11月06日・箕面市立文化芸能劇場、箕面自由学園チアリーダー部優勝報告会(撮影・和賀正仁)

2024年11月06日・箕面市立文化芸能劇場、箕面自由学園チアリーダー部優勝報告会(撮影・和賀正仁)

弱い自分に泣いた
魔法が使えるまで

今年もまたGOLDENBEARSは高校生チアの頂点に立った。

疑問に思うことがある。

才能ある選手ばかりが集まっているのだろうか。

なぜ、こんなにも強いのだろうか。

彼女たちは天才ではなかった。

超満員の会場で開かれた優勝報告会が終わり、しばらくたったある日。

部員の1人が漏らした言葉があった。

「本当は怖かったです」

それが偽りのない本心だった。

怖くて、怖くて、仕方がない。

時には逃げ出したくなった日もあった。

あんなに得意だった笑顔もいつしか消えた。

自分ができなければ、チームの連覇を止めてしまうから。

そんな時、コーチが声をかけてくれた。

「笑ってんのが、あんたの取りえやで。笑っている方がいいよ!」

それは、とっても温かくて、優しい声で、勇気をもらった気がした。

そうだ。

この子たちは天才でも、最初から魔法が使えたわけでもないんだ。

諦めないから日本一になれた。

報われるまでの努力を重ねてきたから、勝てたのだ。

誰だって「弱さ」はある。

普通の高校生が、諦めず、目指し続けてきた頂をつかむまでの軌跡を、描くことにしよう。

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編集委員

益子浩一Koichi Mashiko

Ibaraki

茨城県日立市生まれ。京都産業大から2000年大阪本社に入社。
3年間の整理部(内勤)生活を経て2003年にプロ野球阪神タイガース担当。記者1年目で星野阪神の18年ぶりリーグ制覇の現場に居合わせた。
2004年からサッカーとラグビーを担当。サッカーの日本代表担当として本田圭佑、香川真司、大久保嘉人らを長く追いかけ、W杯は2010年南アフリカ大会、2014年ブラジル大会、ラグビーW杯はカーワンジャパンの2011年ニュージーランド大会を現地で取材。2017年からゴルフ担当で渋野日向子、河本結と力(りき)の姉弟はアマチュアの頃から取材した。2019年末から報道部デスク。
大久保嘉人氏の自伝「情熱を貫く」(朝日新聞出版)を編集協力、著書に「伏見工業伝説」(文芸春秋)がある。