【宇都宮ブレックス〈52〉】ブラスウェルHC単独インタビュー&記者が見た「実像」(上)

宇都宮ブレックスは8月31日に信州ブレイブウォリアーズを91-78、9月1日に福島ファイヤーボンズを69-48で破り、プレシーズンゲーム2連勝を飾りました。アソシエイトコーチ(AC)から昇格した、ケビン・ブラスウェルヘッドコーチ(HC)率いる新生ブレックスは上々の滑り出しを見せました。笑顔がキュートなブラスウェルHCですが、「実像」はどんな指導者なのでしょうか。8月26日に行った単独インタビューをもとに迫ってみました。2回続きでお届けします。

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【次回予定〈53〉ブラスウェルHC単独インタビュー&記者が見た「実像」(下)】

チーム練習中に笑顔を見せるブラスウェルHC

チーム練習中に笑顔を見せるブラスウェルHC

◆ケビン・ブラスウェル 1979年1月23日生まれ、アメリカ・メリーランド州ボルティモア出身。2002年にベルギーでプロ選手としてデビューし、イタリア、トルコ、オーストラリア、ニュージーランドなどでプレー。2016年、現役引退後すぐにウェリントン・セインツ(ニュージーランド)のHCに就任。2021年に来日し、2年間秋田ノーザンハピネッツでACを務めたあと、2023年に宇都宮ブレックスに加入した。身長は188センチ。現役時代のポジションはポイントガード。

「選手のリアクションを重要視しています」

それは、練習終了後に行っていたインタビューの真っ最中でした。

ブラスウェルHCは私に「1つ、例えをお見せしましょう」と目配せして、帰宅しようとしていたギャビン・エドワーズ選手を呼び止めました。

ブラスウェルHC 「ヘイ、ギャビン、今日のディフェンスでの練習では全然見えなかったね。水曜日の練習で会おう」

エドワーズ 「次の練習日は水曜日でしたっけ? OK。水曜日に会いましょう」

笑みを浮かべて帰っていくエドワーズ選手。その姿を横目で見ながら、ブラスウェルHCは私にこう話しました。

今日の練習で彼はディフェンス面でのミスが多かったのです。次の練習の前にその映像を見せて、この間の練習で見えなかったと言った理由はこれだよと説明するのです。

ブラスウェルHCと膝をつき合わせ、じっくり話をするのは今回が初めて。最も聞きたい事の1つが周囲とのコミュニケーションの取り方でした。

45歳になった今でも、現役の選手たちと一緒にコート内を動き回っています。欧州や南半球で長く活躍しただけに、高いスキルもあります。そして人懐っこい笑顔。就任会見の時に鎌田眞吾GMが「選手たちの信頼は厚い」と激賞したコミュニケーション能力とはどんなもので、いかに培われたのでしょうか。

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1988年入社。プロ野球を中心に取材し、東京時代の日本ハム、最後の横浜大洋(現DeNA)、長嶋巨人を担当。今年4月、20年ぶりに現場記者に戻り、野球に限らず幅広く取材中。