【宇都宮ブレックス〈60〉】村岸航のワークアウトに密着 来たる日に備えて(上)

ブレックスがリーグ戦を快走しています。開幕節で千葉ジェッツに2連敗したあとは9連勝。勝利数では千葉Jに並び、東地区2位をキープしています。一方で、若手選手のプレータイムはあまり伸びていません。プロ契約2シーズン目の村岸航選手(27)はまだ2試合の出場にとどまっています。ケビン・ブラスウェルヘッドコーチ(HC)が「シーズン終盤に必ず生きてくる」という若手の成長は、今年こそと意気込むリーグ優勝に不可欠です。村岸選手の自主練習日のワークアウトに密着し、現在の心境と今後について伺いました。2回にわけてお届けします。

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【次回予定〈61〉村岸航のワークアウトに密着 来たる日に備えて(下)】

「率直に言えば悔しい部分はありますが…」

10月29日火曜日、日環アリーナ栃木、午前10時少し前。

サブアリーナに入る扉は5つあるが、そのうちの1つが3分の1ほど開いていた。ボールが弾む音と、かすかに話し声が聞こえてくる。

村岸選手は小川敦也選手、田中誠人アシスタントコーチ(AC)と一緒に、入り口に一番近いゴールの下にいた。

「今日は9時に来ました」

ワークアウトの開始時間は午前10時。1時間前から準備を始めるところは真面目な村岸選手らしい。

自主練習日にワークアウトを行う村岸選手(中)小川選手と田中誠人AC

自主練習日にワークアウトを行う村岸選手(中)小川選手と田中誠人AC

この日のワークアウトは希望者のみ。村岸、小川の両選手のほかには高島紳司選手、石川裕大選手の若手4人が姿を見せていた。

「シーズンに入ると月曜日は休みで、火曜日は自主練習になることが多いですね。水曜日のナイトゲームがある時は木曜日が自主練習になります。自主練習日は必ず来ています」

村岸選手がコートに立たないのは基本的に週に1日だけ。オンシーズン「連休」はまずない。

練習が始まった。まずはゴール下に立ち、ボールに回転をかけてバスケットゴールに入れていく。右手、次は左手と交互にレイアップを繰り返す。

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1988年入社。プロ野球を中心に取材し、東京時代の日本ハム、最後の横浜大洋(現DeNA)、長嶋巨人を担当。今年4月、20年ぶりに現場記者に戻り、野球に限らず幅広く取材中。