【三原舞依の言葉】走ることもできるし、けんけんもできる―奇跡みたいなこと/4大陸

【上海(中国)=竹本穂乃加】過去2度の優勝を誇る三原舞依(24=シスメックス)が、昨季SP「戦場のメリークリスマス」を舞いました。プログラム後半の連続2回転ジャンプで転倒があり、65・18点の5位発進。それでも演技後は笑顔を見せ、大舞台で滑ることができた価値をかみしめました。現地限定の取材では「戦メリ」への変更に至った経緯を明かしながら、自らの心身と“対話”を続けている様子を明かしました。

フィギュア

<フィギュアスケート:4大陸選手権>◇1日◇中国・上海オリエンタルスポーツセンター◇女子ショートプログラム(SP)

公式練習に参加した三原舞依(撮影・竹本穂乃加)

公式練習に参加した三原舞依(撮影・竹本穂乃加)

「戦メリ」回帰を決めた日は

――連続3回転はトーループを付け切りました

三原 ジャンプのミスは悔しい思いがすごくあるんですが、いつもだったらミスをしたら引きつった笑顔になる。今回は思いが強くあった中で、このプログラムを滑ることができて、たくさんのファンの方々や、バナーを持ってきてくださったり、いつもステキなアルバムを送ってくださる中国のファンの方々の前で滑ることができて、すごくすごくうれしかったです。

――「戦場のメリークリスマス」に重なった思いを、あらためて教えてください

三原 全日本の後につらくなってしまった時期があって、スケートの練習に行くのもつらかったりとか「本当にどうしよう」と思うような気持ちがたくさんあって、その中でこうして4大陸に出発する日がどんどんどんどん近くなっていくにつれて、焦りもある中で、自分の中の葛藤というのが「やややややや」とやっていたので、その中で新たに進む1歩となったのが、この戦メリを滑るということでした。出発する2日前に、このプログラムにすると決めたのですが「トゥー・ラブ・ユー・モア」をすごく今まで練習してきて、いいプログラムにはなっていたんですけれど「『戦メリにする』と決めた以上は、全身全霊で本当に思いを込めて滑る」と決めて滑れたので、今回は本当に良かったなと思います。

――戦メリはあまりプログラムを通せていなかったのですが

三原 していなくて、出発する2日前の土曜日から練習し始めたんですが、タイミングとか、振り付けとかが全く忘れていることもなく「今まで練習していました」みたいな感じで自分も滑ることができたんです。何も予習もせずに「戦メリにしよう」と思って、かけたら全部、振りも忘れることなくできたので、それぐらい思いのこもったプログラムなので、本当に大切なプログラムをこうして4大陸の舞台で滑れて良かったなと思います。

女子SPで演技する三原(共同)

女子SPで演技する三原(共同)

――試合で滑って、どういう瞬間に幸せを感じるようなところがありましたか

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スポーツ

竹本穂乃加Honoka Takemoto

Osaka

大阪府泉大津市出身。2022年4月入社。
マスコミ就職を目指して大学で上京するも、卒業後、大阪に舞い戻る。同年5月からスポーツ、芸能などを取材。