【樋口新葉の言葉】6年ぶりVに見据えるスケート人生の行き先 復帰2季目の心境を語る

2022年北京五輪4位の樋口新葉(23=ノエビア)が6年ぶりの優勝を飾りました。ショートプログラム(SP)は67・07点で首位発進、フリーは125・26点の3位。合計192・33点まで得点を伸ばしました。早くも今季3戦目。「120%」を意識して毎日取り組んできた練習の成果に自信を深めました。長期休養から復帰2季目のいま、どんな目標を見つめているかも丁寧に語ってくれた「樋口新葉の言葉」です。

フィギュア

〈フィギュアスケート:東京選手権〉◇9月21、22日◇千葉・三井不動産アイスパーク船橋◇女子SP、フリー

SPの演技する樋口

SPの演技する樋口

フリーの演技する樋口

フリーの演技する樋口

キス・アンド・クライで笑顔の樋口

キス・アンド・クライで笑顔の樋口

早くも今季3戦目、SP首位、フリー3位

――まずは今日の演技振り返っていかがでしたか。

樋口 練習通りの演技ができたなという感じで、この前の夏季フィギュアの時よりも全体的に調子を上げて臨むことができました。

――いまのコンディションはいかがですか。

樋口 まだ上げてる途中なので、今日の試合も練習通りできたんですけど、3―3やスピンのバランスの感じがもうちょっと回転速くできたんじゃないかなって思ったり、体の感覚的にももう少し落ち着いて滑れるようになるんじゃないかなと思いました。

――東京夏季からはどんなところを重点的に練習してきましたか。

樋口 まず余裕を持って最初から最後まで滑り切れるようにと意識して練習をしていたので。ジャンプの調子が落ちていたとかそういうわけではなかったので、とにかく体力を持つように練習してました。

――今日も早めにアップされてましたけれども、前回と同じような感じで取り組まれていたんですか。

樋口 前回の試合もそうだったんですけど、ちょっと体が逆に動きすぎると、動きすぎちゃって逆にいつも通りできない感じがあったので。体を温めつつ、動きすぎないような感じで体動かしてました。

――明日のフリーに向けてはいかがですか。

樋口 フリーも体力を持つように最初から最後まで全力でやる練習をしてきたので、ジャンプもミスしないようにと目標にはしてるんですけど、全体的に自信を持って滑れるように、次の大会に向けてという試合にしたいなと思います。

――改めて意気込みを教えてください。

樋口 今日もそうだったんですけど、グランプリ(GPシリーズ)まで今回の試合が最後だったので、自信を持って滑れるような大会にしたいです。

――パリオリンピック開催中に行われた北京オリンピック団体戦のメダル授与式のご感想を教えていただいてもいいですか。

樋口 一言で言い表せないぐらいすごかったというのが感想になるんですけど。北京の時は無観客だったし、親も見られなかったと思うので、こういう風にメダルをもらえたのはすごくうれしかったです。

――復帰の過程にあると思います。特別な難しさもあるんじゃないかなと思うんですけど、やる上で自分を助けてくれているものは何ですか。例えば身体能力なのか、経験なのか、団体戦のメダルなのか、坂本花織選手の存在なのか。これが助けになってるなと思うのはどんなことですか。

樋口 もちろん周りの選手が活躍しているのを見て、また自分も戻したいなという気持ちはあるんですけど、それよりも自分が1回休んでどこまで上がれるのかなっていう、そっちの方がすごく大事にしていて。今もすごく去年に比べて良くなってきた部分がたくさんあるし、今までやってきたことを全部出し切って、また結果を残せるようになったらいいなと思います。

――北京と比べて、体の動き、練習量などはどう違いますか。

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スポーツ

勝部晃多Kota Katsube

Shimane

島根県松江市出身。小学生時代はレスリングで県大会連覇、ミニバスで全国大会出場も、中学以降は文化系のバンドマンに。
2021年入社。スポーツ部バトル担当で、新日本プロレスやRIZINなどを取材。
ツイッターは@kotakatsube。大好きな動物や温泉についても発信中。