【鍵山優真の言葉】「もう守るものはない」「自分との勝負」GPファイナルへの決意

フィギュアスケート男子で22年北京五輪個人、団体銀メダルの鍵山優真(21=オリエンタルバイオ/中京大)が、2季連続出場となるグランプリ(GP)ファイナル(フランス・グルノーブル)へ不退転の決意を語りました。

11月29日、拠点とする愛知・豊田市の中京大で練習を公開。シニア自己最低の159・12点を記録したGP第5戦フィンランド大会フリーを「弱いところをたくさん見せてしまった」と振り返り、“切り替え”の重要性を説きました。生命線となる4回転フリップへの思いや、瞑想(めいそう)トレなどについても言及した公開練習後の囲み取材の様子を、「鍵山優真の言葉」としてお届けします。

フィギュア

練習を終え、リンクを後にする鍵山(撮影・森本幸一)

練習を終え、リンクを後にする鍵山(撮影・森本幸一)

「返す言葉も本当になかった」

―フィンランド大会を終えてからの練習はいかがですか

少しずつは良くなってると思います。ファイナルに向けて気持ちはしっかりと作っていますし、そんなに時間がない中で自分のやるべきことっていうのをしっかりと意識しながら、練習はできてるのかなって思います。

練習を公開し調整する鍵山(撮影・森本幸一)

練習を公開し調整する鍵山(撮影・森本幸一)

―今日の練習ではフリーの前半を入念にやっていた。やはりあの辺が課題となっている部分ですか

そうですね。ショートはだいぶ練習の中で安定してきてはいるんですけれど、フリーのフリップだったり、フリップからの流れがいまだにちょっと課題な部分もあるので、そこをしっかりと確認して終わりました。

―ファイナルに向けて目指すべき演技は

もちろんショートもフリーもノーミスの演技っていうのを今シーズンずっと掲げてるんですけど、いまだにそろえられたことは先シーズンから見てもしばらくないので、本当に自分の今持てる技術を全て出し切りたいなって思ってますし、フィンランドではちょっと弱いところをたくさん見せてしまったので、自信を持って取り組みたいなって思います。

練習を終え取材に応じ、明るい表情を見せる鍵山(撮影・森本幸一)

練習を終え取材に応じ、明るい表情を見せる鍵山(撮影・森本幸一)

―正和コーチが調子の波があるといっていました

本番のパフォーマンスは練習以上のものは僕は出ないと思ってて、仮に出たとしてもたまたま良かったとか、そういう運の要素も絡んでくると思います。なので各試合の前の練習の最後の追い込みっていうのがやっぱり自分がしっかりと練習してるつもりでも、やっぱり本番で失敗してる以上は練習が足りなかったと感じているので、ファイナルだったり、その後の全日本っていうのをしっかりと見据えて今は頑張ろうとしています。

―悪い中でもまとめるということは難しいですか

もちろん調子がいい時はどんどん練習を続けてって言ってますけど、やっぱり僕自身そんなにメンタルや気持ちが強くなかったり、調子が悪くなっちゃうとすぐにボキって心が折れてしまう日がたくさん今まであったので、多少のミスは本当に気にしないでいけるようなメンタルを持たなきゃいけないと思いますし、やっぱり練習でしっかりとそういう気持ちを持っていかないと、本番ではどうしても緊張だったりとか不安っていうのを最初は抱えてしまうものだと思うので、その状態でも自信が持てるぐらいの練習っていうのを、良くても悪くてもやっぱり続けていかないといけないんだなって、今シーズンは特に感じてますね。

練習後、鍵山優真と言葉を交わす父・正和コーチ(右)(撮影・森本幸一)

練習後、鍵山優真と言葉を交わす父・正和コーチ(右)(撮影・森本幸一)

―フィンランド大会が終わった後に珍しくお父さんの方から厳しい指導があったっていうことだったんですけど、具体的にどんなことを言われましたか

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スポーツ

勝部晃多Kota Katsube

Shimane

島根県松江市出身。小学生時代はレスリングで県大会連覇、ミニバスで全国大会出場も、中学以降は文化系のバンドマンに。
2021年入社。スポーツ部バトル担当で、新日本プロレスやRIZINなどを取材。
ツイッターは@kotakatsube。大好きな動物や温泉についても発信中。