【宮本慎也】野村克也さんのお墓参り…スパイ説、最悪の字画、深夜のホテル/〈26〉

ゴールデングラブ賞10度の元ヤクルト宮本慎也氏(53=日刊スポーツ評論家)が、ベテラン小島信行記者との掛け合いで展開する連載「宮本慎也 もっと野球を語ろう」。今回はヤクルト、阪神、楽天などで監督を務めた野村克也氏の思い出を語り合います。宮本氏にとっては95年のヤクルト入団時からの恩人で、当時の担当記者だった小島記者と秘蔵エピソード満載のトークがスタートです。

プロ野球

■今回の主なトークテーマ

〈1〉2020年2月11日に死去した野村克也さん。今更ながら2人でお墓参りに

〈2〉報知新聞のヤクルト番記者時代、小島記者がかけられた「あらぬ疑惑」

〈3〉小島記者をかわいがるようになった意外な理由と阪神監督時代の悲哀

◆宮本慎也(みやもと・しんや)1970年(昭45)11月5日、大阪府吹田市生まれ。PL学園では2年夏に甲子園優勝。同大―プリンスホテルを経て、94年ドラフト2位でヤクルト入団。ベストナイン1度、ゴールデングラブ賞10度。通算2162試合、2133安打、62本塁打、578打点、打率2割8分2厘。引退後は18、19年にヤクルト1軍ヘッドコーチ。04年アテネ五輪、06年WBC、08年北京五輪代表。現役時代は176センチ、82キロ。右投げ右打ち。


◆小島信行(おじま・のぶゆき)プロを中心とした野球報道が専門。取材歴は30年を超える。現在は主に評論家と向き合う遊軍。投球や打撃のフォームを分析する企画「解体新書」の構成担当を務める。

■「間違いなく、天国からぼやいているよ。そういうのは、しつこく言うタイプだった」

小島6月の上旬、2人で野村監督(故人)のお墓参りに行ってきました!

宮本そうそう。一番の恩人とか言ってるくせに、1度もお墓参りしてなかった(苦笑い)。家族葬に参加させてもらってお別れはしたんだけど、それから行ってなかった。ずっと気になっていたんだよね。

小島さんもヤクルト担当してて、野村監督にはかわいがってもらっていたでしょ。スッキリしたんじゃないですか?

小島当時はコロナでバタバタしてたので、ついつい行きそびれていました。天国から「今ごろ来やがって」と怒ってるでしょう(苦笑い)。行けてよかったです。

宮本どこのお寺か探してくれるように頼んでいたのに、いつも忘れてたもんなぁ。間違いなく、天国からぼやいているよ。そういうのは、しつこく言うタイプだった(笑い)。

小島そうですね。それでは今回は「野村監督の思い出話」をしましょうか?

宮本いいねぇ。でも俺の話はいろいろなとこでたくさん話している。新しい話なんてないよ。

小島さんの話は皆さん知らないでしょ? それを聞かせてくださいよ。

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プロを中心とした野球報道が専門。取材歴は30年を超える。現在は主に評論家と向き合う遊軍。
投球や打撃のフォームを分析する企画「解体新書」の構成担当を務める。