【宮本慎也】24年唯一の日本人3割 ソフト近藤の重大証言「絶対に…」/〈37〉

ゴールデングラブ賞10度の元ヤクルト宮本慎也氏(53=日刊スポーツ評論家)が、ベテラン小島信行記者との掛け合いで展開する連載「宮本慎也 もっと野球を語ろう」。今回はセ・パのペナントレースを振り返りながら、3割打者が激減するなど「投高打低」が進むプロ野球界の問題点に切り込んでいきます。

プロ野球

■今回の主なトークテーマ

〈1〉今季のプロ野球を振り返って…ざっくりの要求に宮本さんが応じる形でスタート

〈2〉セ・パでただ1人の日本人3割打者となったソフトバンク近藤の決定的な証言を紹介

〈3〉根強いダウンスイング論者を理詰めで否定する宮本さん。議論の前提にあるものは

◆宮本慎也(みやもと・しんや)1970年(昭45)11月5日、大阪府吹田市生まれ。PL学園では2年夏に甲子園優勝。同大―プリンスホテルを経て、94年ドラフト2位でヤクルト入団。ベストナイン1度、ゴールデングラブ賞10度。通算2162試合、2133安打、62本塁打、578打点、打率2割8分2厘。引退後は18、19年にヤクルト1軍ヘッドコーチ。04年アテネ五輪、06年WBC、08年北京五輪代表。現役時代は176センチ、82キロ。右投げ右打ち。


◆小島信行(おじま・のぶゆき)プロを中心とした野球報道が専門。取材歴は30年を超える。現在は主に評論家と向き合う遊軍。投球や打撃のフォームを分析する企画「解体新書」の構成担当を務める。

■「野球の面白さを伝えるって考えで見ると、心配になっちゃう」

小島ペナントの行方が決まりました。セ・リーグの大混戦を制したのは巨人で、パ・リーグはソフトバンクがぶっちぎりで優勝しました。まだポストシーズンが残っていますが、今季を振り返って宮本さんの感想をお聞かせ下さい。

宮本ずいぶん大ざっぱだなぁ(苦笑い)。このコーナーはお金を払ってないと、見られないんだよね?

小島そうなんです。大ざっぱでも、読者の皆さんがお金を払っても読みたくなるような分析をお願いします!

宮本そうだなぁ。まず、一番に感じたのは「投高打低」。ここ数年、続いているというか、どんどん差が開いている。危機感がある。

打てない試合が多すぎて、試合の解説や評論をするんでも、試合が動かないから困るんだよね(苦笑い)。

息詰まる投手戦の面白さはあるけど、あまりにも点が入らないのって、見ているファンはどうなんだろう。こっちが聞きたいぐらい。野球の面白さを伝えるって考えで見ると、心配になっちゃう。

■「そもそも打率にこだわるから、日本のバッターのレベルが上がらないんだと思う」

小島差が開いているっていうのは、投手と打者の差ですよね? 打者のレベルが上がらない要因に、宮本さんはこれまでも「上から打て」や「ゴロを打て」と言った打ち方に疑問を呈してきました。

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プロを中心とした野球報道が専門。取材歴は30年を超える。現在は主に評論家と向き合う遊軍。
投球や打撃のフォームを分析する企画「解体新書」の構成担当を務める。