【宮本慎也の赤裸々】お疲れさま青木宣親…不仲説と風説の流布と、雪解けと/〈35〉

ゴールデングラブ賞10度の元ヤクルト宮本慎也氏(53=日刊スポーツ評論家)が、ベテラン小島信行記者との掛け合いで展開する連載「宮本慎也 もっと野球を語ろう」。今回は宮本氏の元チームメートで、今季限りでの引退を発表したヤクルト青木宣親外野手(42)との気になるあの話題についてトークが進んでいきます。

プロ野球

■今回の主なトークテーマ

〈1〉ヤクルトの大打者・青木宣親が引退。まずは抜群の通算成績をおさらい

〈2〉もはや通説となっている「不仲説」について、宮本さん自ら詳細に説明

〈3〉なぜ誤解が起こるのか? 小島記者が宮本さんのパーソナルを深掘り

◆宮本慎也(みやもと・しんや)1970年(昭45)11月5日、大阪府吹田市生まれ。PL学園では2年夏に甲子園優勝。同大―プリンスホテルを経て、94年ドラフト2位でヤクルト入団。ベストナイン1度、ゴールデングラブ賞10度。通算2162試合、2133安打、62本塁打、578打点、打率2割8分2厘。引退後は18、19年にヤクルト1軍ヘッドコーチ。04年アテネ五輪、06年WBC、08年北京五輪代表。現役時代は176センチ、82キロ。右投げ右打ち。


◆小島信行(おじま・のぶゆき)プロを中心とした野球報道が専門。取材歴は30年を超える。現在は主に評論家と向き合う遊軍。投球や打撃のフォームを分析する企画「解体新書」の構成担当を務める。

■「生涯通算打率は3割1分2厘以上あって、歴代6位」

小島プロ野球は終盤に入り、セ・リーグは大混戦で盛り上がっています。そんな中、ヤクルトの青木が引退を表明しました。この前、発売された週刊誌にも宮本さんと青木は「不仲」とか書かれていました(笑い)。真相はどうなんですか?

宮本いきなり、その質問かぁ(苦笑い)。この手の話はだいたいが大げさに広まるもので、今どき、本当に信じている人はいるの? そんなの小島さんだって分かるでしょ?

小島大げさに伝わるのは承知していますが「火のないところに煙は立たず」ともいいます。仲がいいはずはないと、思っている人はいるでしょう。

宮本それじゃここで、どうしてそういううわさ話になったのか、きちんと説明しておくよ。でも説明する前に引退する青木について、きちんとコメントしていい?

小島どうぞ!

宮本現時点だけど、青木の生涯通算打率は3割1分2厘以上あって、歴代6位。ヤクルトだと歴代2位の若松さん(3割1分9厘)がいるけど、青木は野球の神様・川上さん(3割1分3厘)に次ぐ順位。9位の落合さん(3割1分)より上なんだよ。

努力はもちろんだけど、特にバッティングに関しての追究心はすごかった。ヤクルトにとっても、球界にとっても大功労者。本当に「ご苦労さま」と言いたい。

本文残り73% (2616文字/3600文字)

プロを中心とした野球報道が専門。取材歴は30年を超える。現在は主に評論家と向き合う遊軍。
投球や打撃のフォームを分析する企画「解体新書」の構成担当を務める。