【宮本慎也】まずは日本流の守備を 両手からシングルはできても逆は…/連載〈38〉

ゴールデングラブ賞10度の元ヤクルト宮本慎也氏(53=日刊スポーツ評論家)が、ベテラン小島信行記者との掛け合いで展開する連載「宮本慎也 もっと野球を語ろう」。セ・パのペナントレースを振り返りながら、日本とメジャーの打撃論に展開した前回に続き、今回は日米の守備論です。名手の宮本氏が、マネしない方がいい点、解説します。

プロ野球

■今回の主なトークテーマ

〈1〉宮本さんに守備論をたっぷり語っていただきましょう! 全カテゴリー必読です

〈2〉両手、シングル、正面、斜め…日米の比較論を展開。白黒の二元論じゃない点が肝

〈3〉アマチュアが陥りがちなミスを丁寧に解説。野球少年を持つお父さん、早速実践を

◆宮本慎也(みやもと・しんや)1970年(昭45)11月5日、大阪府吹田市生まれ。PL学園では2年夏に甲子園優勝。同大―プリンスホテルを経て、94年ドラフト2位でヤクルト入団。ベストナイン1度、ゴールデングラブ賞10度。通算2162試合、2133安打、62本塁打、578打点、打率2割8分2厘。引退後は18、19年にヤクルト1軍ヘッドコーチ。04年アテネ五輪、06年WBC、08年北京五輪代表。現役時代は176センチ、82キロ。右投げ右打ち。


◆小島信行(おじま・のぶゆき)プロを中心とした野球報道が専門。取材歴は30年を超える。現在は主に評論家と向き合う遊軍。投球や打撃のフォームを分析する企画「解体新書」の構成担当を務める。

■「どちらも正解であり、間違っているとも言えるなぁ」

小島さぁ、今日は宮本さんに守備の話をしていただきましょう!

宮本なんだよ、俺のバッティングの話はもういいの?(笑い)

小島前回、日本の打撃の話をメジャーと比べて話していただきました。(「もっと野球を語ろう37 ソフト近藤の重大証言」はこちら)その流れであって、別に宮本さんの打撃より、守備の話が聞きたいと言っている訳ではありません(苦笑い)。

宮本まぁいいよ(苦笑い)。

小島それでは前回の流れからで、メジャーのプレーをマネしない方がいいという部分で守備の話が出ましたが、どういう部分で日米の違いがあるんですか?

宮本一番に挙げるなら、ハンドリングに対しての考え方だろうね。ここが根本的に違うから、打球に対してのアプローチが違ってくる。

小島もっと具体的に話してくれませんか?

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プロを中心とした野球報道が専門。取材歴は30年を超える。現在は主に評論家と向き合う遊軍。
投球や打撃のフォームを分析する企画「解体新書」の構成担当を務める。