【宮本慎也のパCS振り返り】ソフト孫オーナー 最新機器の大人買いを指示/〈39〉

ゴールデングラブ賞10度の元ヤクルト宮本慎也氏(53=日刊スポーツ評論家)が、ベテラン小島信行記者との掛け合いで展開する連載「宮本慎也 もっと野球を語ろう」。今回はクライマックス・シリーズ(CS)の戦いを振り返ります。日本ハム新庄剛志監督(52)の采配やソフトバンクの強さの秘密とは…。パ・リーグ編です。

プロ野球

■今回の主なトークテーマ

〈1〉パ3強の戦いを振り返る短期連載。まずはハム新庄監督の用兵を絶賛する宮本さん

〈2〉ブランクをまるで感じさせなかったソフトバンク打線。能力を引き出すスパイスが

〈3〉2年連続でAクラスを確保したロッテを評価。新庄監督は予測通り来季続投を明言!

◆宮本慎也(みやもと・しんや)1970年(昭45)11月5日、大阪府吹田市生まれ。PL学園では2年夏に甲子園優勝。同大―プリンスホテルを経て、94年ドラフト2位でヤクルト入団。ベストナイン1度、ゴールデングラブ賞10度。通算2162試合、2133安打、62本塁打、578打点、打率2割8分2厘。引退後は18、19年にヤクルト1軍ヘッドコーチ。04年アテネ五輪、06年WBC、08年北京五輪代表。現役時代は176センチ、82キロ。右投げ右打ち。


◆小島信行(おじま・のぶゆき)プロを中心とした野球報道が専門。取材歴は30年を超える。現在は主に評論家と向き合う遊軍。投球や打撃のフォームを分析する企画「解体新書」の構成担当を務める。

■「今までやった球団はなかったんじゃない?」

小島CSも終わり、いよいよ日本シリーズですね。

宮本今年は昨年と違って、ペナントの優勝や順位が決まるのが遅かった。9月に入ってドタバタして、その流れでアッという間に終わった感じ。白熱しているから短く感じたんだろうね。

小島パは、優勝したソフトバンクと2位の日本ハムの順位が確定的だったのに対し、セは最後までもつれました。CSはどうでした?

宮本パのCSファーストステージは面白かった。今年のペナント終盤は、日刊スポーツの評論もセばかり。パは見る機会が少なかったから新鮮に感じた。

小島では、セ・パのCSファーストステージを振り返ってください。

宮本一番印象に残ったのは、日本ハムの新庄監督がエースの伊藤をファーストステージに使わず、ファイナルステージまで温存したこと。

ペナントの最終戦で伊藤が先発。最多勝はソフトバンクの有原と同じで確定していたから、大一番に向けて調整登板だよね。

ファーストステージで負けるのも、ファイナルステージで負けるのも一緒、という考え。個人的には大賛成だった。今までやった球団はなかったんじゃない?

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プロを中心とした野球報道が専門。取材歴は30年を超える。現在は主に評論家と向き合う遊軍。
投球や打撃のフォームを分析する企画「解体新書」の構成担当を務める。