【坂本花織の言葉】前向きに明かした世界女王としての苦悩/GPファイナル一夜明け

<フィギュアスケート:グランプリ(GP)ファイナル>◇10日◇中国・北京◇エキシビション

悲願のGPファイナル初優勝を飾った坂本花織(23=シスメックス)が現地で一夜明け取材に応じました。今季序盤から掲げた3連勝を達成した手応えを得ながら、同時に世界女王としての苦悩も明かしました。

フィギュア

GPファイナル女子シングル成績


順位選手名SPフリー合計
1坂本花織77.35148.35225.70
2ルナ・ヘンドリックス73.25130.11203.36
3吉田陽菜60.65142.51203.16
4ニーナ・ピンザローネ66.72128.19194.91
5イサボー・レビト56.53135.33191.86
6住吉りをん58.63121.76180.39

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優勝した夜、眠らずにやったこと

フリー翌日の一夜明け取材

――ISU主要3大会を制しました。キャリアグランドスラムと言うらしいです

坂本 キャリアグランドスラム?(笑顔)

フィギュアスケートGPファイナル女子優勝から一夜明け、報道陣に対応する坂本

フィギュアスケートGPファイナル女子優勝から一夜明け、報道陣に対応する坂本

――そう言うそうです

坂本 今年はイチ、イチ、イチ(GPシリーズから3連勝の意味)を目標にしていて、それを達成できたのはめちゃくちゃうれしかったです。

――昨夜は爆睡でしたか

坂本 いや爆睡してないです。爆睡できなくて。昨日のフリーの映像を見て、その後に何となく去年の(GPファイナルの)フリーの映像を見てみようと思って、見てみたんですよ。トリノ。結構忘れていたので、どんな内容だったんだろう、何点出たんだろうと。何点で終わったんだろみたいな感じで。あの時も絶望すぎて、点数も覚えてないし、もう気づいたら終わってるみたいな状況だったんで、見返しもしてなくて。で、昨日久々に見返したら、アクセル跳ぶ前につまずいてるし、地に足がついてなさすぎるぐらい、ジャンプも不安定で。こんなにボロボロだったんやとビックリして。その後にもう1回昨日のフリーを見て、成長したな自分って思いました。

――昨年は得点も低かったです

坂本 そうですよ。びっくりですよね。ニュースで誰かが書いていましたが、シニアに上がってからワースト、過去最悪の点数やって。ええ…と思って。でもあの内容やったら、納得かもって。そう考えたらすごい成長ですよね(笑い)

――昨日の場内インタビューで「自分に打ち勝てた」と言われていました。どういう意味ですか

坂本 中野先生もよく言うんですけど、やっぱり誰に勝つっていうよりかは、前の自分に勝ってこそっていう感じでよく言われるので。そういう気持ちで挑む時が結構いつも良かったりするので。最近は背中をして送り出される時も、そういう感じのセリフが結構多いので。

フィギュアスケートGPファイナルのエキシビションに臨む女子優勝の坂本

フィギュアスケートGPファイナルのエキシビションに臨む女子優勝の坂本

―「自分に勝ってこい」ですか

坂本 「花織ならできる」っていうか、「自分に勝ってきなさい」っていう感じの言葉をかけてもらいます。

――北京五輪後の世界選手権からは「勝って当然」という重圧がある中で勝っています。貫禄がついていますか

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岐阜県不破郡垂井町出身。2022年4月入社。同年夏の高校野球取材では西東京を担当。同年10月からスポーツ部(野球以外の担当)所属。
中学時代は軟式野球部で“ショート”を守ったが、高校では演劇部という異色の経歴。大学時代に結成したカーリングチームでは“セカンド”を務めるも、ドローショットに難がある。