【渡辺倫果の言葉】新SPと重ねる高橋大輔&宇野昌磨「参考にしながら…」/現地限定

【アレン=藤塚大輔】昨季の4大陸選手権3位の渡辺倫果(22=三和建装/法政大)が3位につけました。

66・54点を記録し、68・43点で首位のイザボー・レビト(米国)まで1・89点差。ステップシークエンスがレベル2(最高が4)となるなど伸びしろも残しながら、確かな手応えをにじませました。

現地取材メディア限定となる17日の公式練習、この日のSPを終えた思いを「渡辺倫果の言葉」としてお届けします。

フィギュア

<フィギュアスケート:グランプリ(GP)シリーズ第1戦スケートアメリカ>◇10月18日(日本時間19日)◇テキサス・アレン◇女子ショートプログラム(SP)

スケートアメリカ女子SP成績


順位選手名SP
1イザボー・レビト68.43
2ブレイディ・テネル66.99
3渡辺倫果66.54
4樋口新葉66.12
5ニーナ・ピンザローネ62.85
6キム・ミンチェ60.66
7エリス・リン・グレイシー60.22
8リビア・カイザー58.72
9オルガ・ミクティナ56.81
10青木祐奈56.51
11ソフィア・ステピチェンコ44.56
12レア・セルナ42.85
女子SPの6分間練習を行う渡辺(撮影・藤塚大輔)

女子SPの6分間練習を行う渡辺(撮影・藤塚大輔)

「まずはそれが1つ実った」

SPを終えて

―点数と順位を振り返っていかがですか

「(取りこぼした)レベル、レベル…」とは思ったんですよ。レベルが取れたら、70(点)…。「アクセル(3回転半)がなくても70を目指せるんだな」という思いもあり、今できることはやれたかなと思う半面、まだまだできると思うのが半面っていう、ちょっとはざまの部分にはいるんですけれども、まずはすごく緊張した中で、ちゃんとうまくかみ合わせることはできたんじゃないかなと思います。

演技を披露する渡辺(撮影・藤塚大輔)

演技を披露する渡辺(撮影・藤塚大輔)

―2Aを選択した意図を教えてください

この大会、トリプルアクセルのジャンパーがほとんどいないっていうあれですね。まずこの第1戦目に。そして中国大会で、もうちょっと自分に余裕を持たせるためにも、挑戦っていう形を取るよりは、着実に1歩ずつっていうものをテーマとして、今回のスケートアメリカをやっていこうと先生と決めたので。挑戦できる大会っていうのは、まだまだ今後シーズンの中で、ちゃんと結果が伴ってくれば、たくさん機会っていうのはあると思います。今回着実に、ちゃんとできたのは、まず1つよかった点かなと思います。

―そういう選択ができるというのは、これまでの経験、今季の連戦の経験が生きていますか

今シーズン4試合、5試合ぐらい、ずっとトリプルアクセル3本構成で、点数、順位も何も気にせずに、もう本当に、ただただ挑戦し続けるっていうことをしてきて。その中で、やはりフリップ、ループ、ルーツのコンビネーションが、ちゃんとまとまって跳べるようになったっていうのももちろんそうですし、挑戦してきたっていうものもそうですし。多分シーズン序盤の時にも言ったと思うんですけれども、今は結果を追い求めるというよりかは、経験だったり。それがシーズン後半、シーズン中にちゃんとかみ合って、たくさんの選択肢を増やせるようにする。オフシーズンといいますか、夏の大会期間中はずっとそれをテーマにやってきました。まずはそれが1つ実ったんじゃないかなと思っています。

演技を披露する渡辺(撮影・藤塚大輔)

演技を披露する渡辺(撮影・藤塚大輔)

―首位と1・89点差でフリーに臨むという形になり、優勝も見えていると思います

もちろん、本当に1つでも順位を上げた方が、中国大会で心にも余裕ができると思います。そういう意味で今回の大会っていうのはすごく大切になってくるので、優勝をもちろんしたい気持ちはあるんですけれども、ただ、そればっかり見てしまうと、自分の性格上、ちょっと萎縮してしまう部分もたくさん出てきてしまう。もう自分のやりたいことをやる。「自分が皆さんに見ていただきたい演技をしたい」という思いだけをまずは胸に、明日はちゃんと1歩1歩進んでいければいいんじゃないかなと思います。

―フリーはトリプルアクセルに挑戦しますか

そうですね。1本構成にするとは思うんですけれども、明日の公式練習だったり、中庭先生と相談して決めていこうかなと思っています。

―フリーにかける思いを教えてください

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岐阜県不破郡垂井町出身。2022年4月入社。同年夏の高校野球取材では西東京を担当。同年10月からスポーツ部(野球以外の担当)所属。
中学時代は軟式野球部で“ショート”を守ったが、高校では演劇部という異色の経歴。大学時代に結成したカーリングチームでは“セカンド”を務めるも、ドローショットに難がある。